キャリアデザインセンターは、同社が運営する女性の転職サイト「女の転職type」にて、「職場のジェンダーギャップ(男女格差)」について調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査期間:2023年2月1日~2月16日
- 有効回答数:958名
- 調査対象:「女の転職type」「type」会員、およびクラウドワークス20~30代男性
- 調査方法:Web上でのアンケート
Q1. 今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)はある?
今の職場にジェンダーギャップがあるかどうかを男女それぞれに尋ねたところ、「ある」と答えた人は女性64.1%、男性59.4%で女性のほうが多い結果となった。「非常にあると思う」と答えた人は女性27.0%、男性17.7%で大きなギャップがある。
女性の回答について年代別に見てみると、ジェンダーギャップが「非常にある」は、年代が上がるごとに上昇。特に40代は、3人に1人が「非常にある」と感じており、格差を強く感じていることが分かる。
Q2. ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがある?
ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがあるかどうかを尋ねたところ、男女ともに「ない」が多数派ではあるものの、「ある」は女性31.8%に対し、男性13.0%と2.5倍の開きがあった。
Q3. 「女性(男性)だから」や「女性(男性)らしさ」という固定概念やプレッシャーによって、生きづらさを感じることはある?
職場で「女性(男性)だから」や「女性(男性)らしさ」という固定概念やプレッシャーによって、生きづらさを感じることはあるかどうかについては、男女ともに「たまに感じる」が最も多く、女性44.0%、男性40.6%だった。「頻繁に感じる」も加えた感じる派は、女性58.3%、男性50%と女性のほうが多くなっており、Q1やQ2の結果からも分かるように、女性のほうが転職したいと思うほどのジェンダーギャップを感じ、生きづらさにもつながっていそうだ。
Q4. 「女性(男性)であること」が理由で、職場で経験したこと(感じたこと)は?
最も多かったのは「給料が低い」で40.3%、次いで「お茶出し、掃除などを任される」39.5%、「給料が上がりにくい」39.3%となった。「とくにない」が18.6%あるものの、多数の女性が職場で格差を実感していることが分かる。
一方男性は、「体力のいる仕事を振られる」54.3%、「急な仕事、溢れた仕事のしわよせがくる」33.9%、「難易度の高い仕事や責任の重い仕事を振られる」32.7%が上位となった。「とくにない」は女性とほぼ同じ18.1%で、男性も多くが職場でジェンダーによる偏りを感じていることが分かった。
Q5. 「女性(男性)であること」は職場でどう影響する?
自身の性別について、職場でどう影響するか尋ねてみたところ、女性は「やや不利になる」が最も多く45.7%に対し、男性は「影響しない」が39.4%で1位だった。「とても不利になる」「やや不利になる」を合計した不利と捉えている人が女性54.5%に対し、男性19.7%と2分の1以下だった。
Q6. 職場のジェンダーギャップ解消のためには、何が必要だと思う?
トップ3までは男女ともに同じで、1位「社長(経営層)の意識が変わる」、2位「誰でも育児や介護の休暇が取りやすい環境にすること」、3位「男性の意識が変わること」だった。
「男性の意識が変わること」と回答した人は、女性57.5%なのに対し、男性40.6%とギャップがある。また、「そもそも国がジェンダーギャップを解消する政策をもっと推進すること」については、女性は4位にランクインし47.2%の人が回答しているのに対し、男性は21.7%と2倍以上の開きがある。「リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方ができる環境が整うこと」や「女性を積極的に重要ポジションに登用すること」も女性と男性で10%以上の開きがあり、意識の違いが現れる結果となった。
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