PR Tableは、採用広報における課題調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査方法:リサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2023年3月6日〜3月7日
- 有効回答数:大企業(従業員数1000名以上)の経営者・役員、人事責任者208名
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
自社の情報を求職者に届ける採用手法は多様化、潜在層向けの施策比率はまだまだ少ない結果
「Q1.あなたの会社で現在実施している、採用施策について教えてください。(複数回答)」(n=208)と質問したところ、トップ3は「人材紹介会社」「ナビサイト」「ダイレクトリクルーティング・スカウトサービス」だった。「リファラル(社員紹介)」の実施は50%以下、「各種SNS」や「オウンドメディア」などを活用して情報を届ける施策の実施比率は30%を切る結果となった。
様々な施策を実施するも、直近1年間における「採用施策」に「かなり満足」は21%にとどまる
Q1で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q2.あなたの会社の、直近1年間における『採用施策』の実施度合い/成果に対する満足度を教えてください。」(n=191)と質問したところ、「かなり満足(十分にできている/成果が出ている)」と回答した人は21.5%にとどまった。
様々な施策を実施している一方で、本来求める結果につながっている企業はまだまだ少ないといえるだろう。
採用戦略を立案・実行する「専門人材の不足」や「時間/工数の不足」が大きな課題に
Q2で「どちらかというと不満」「かなり不満」と回答した人に、「Q3.採用施策を十分に実行できていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=54)と質問したところ、「必要なスキルを持つ専門人材が不足しているから」が63.0%、「どのような採用手法が効果的かわからないから」が48.1%、「時間/工数が不足しているから」が40.7%となった。
採用施策が多様化しているからこそ、それぞれの特徴を理解し、採用の全体戦略を立案・実行することのできる専門人材や、そこにかける時間・工数が必要となってきている。それにもかかわらず、そうした人材や工数が確保できておらず、結果として満足のいく結果につなげられていない、ということが実態として見えてきた。
大企業の経営・人事責任者の8割以上が「求職者へのアプローチ」に限界を実感
ここからは、求職者に情報を届ける「採用広報」に特化した課題を聞いた。まず、「Q4.あなたは、求職者にアプローチする上で、現在の採用広報に限界を感じていますか。」(n=208)と質問したところ、「非常に感じている」が26.9%、「やや感じている」が53.5%となった。
求職者にアプローチする上で、情報の「伝え方」と「届け方」に課題
Q4で「非常に感じている」「やや感じている」と回答した人に、「Q5.現在の採用広報に限界を感じている理由を教えてください。(複数回答)」(n=167)と質問したところ、「カルチャーや社内の雰囲気を発信できていないから」が59.3%、「必要とする人材に自社の「働く場」としての魅力が伝わらないから」が56.9%、「採用サイトに未訪問の求職者にアプローチできていないから」が53.3%だった。
求職者にアプローチする上で、働く場としての魅力やカルチャーなどの「伝え方」と、届けたい相手にリーチする「届け方」に多くの企業が課題を感じているということが分かった。
その他に「昔ながらの手法から脱却ができていない」「他社との差別化が難しい」などの理由も
Q5で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q6.Q5で回答した以外に、現在の採用広報に限界を感じている理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=166)と質問したところ、「昔ながらの手法から脱却ができていない」「他社との差別化が難しい」など98の回答を得られた。
人事部と広報部との連携、7割以上が課題を実感
採用候補者へと情報を届けるにあたり、広報との連携が重要となるのではないかという仮説のもと、「Q7.あなたは、採用広報を行う中で、人事部と広報部との連携に課題を感じたことはありますか。」(n=208)と質問したところ、「かなりある」が29.3%、「ややある」が43.3%となった。
人事部と広報部との連携で感じている課題、「採用広報に時間を割いてもらえない」や「採用広報についての理解度が低い」など
Q7で「かなりある」「ややある」と回答した人に、「Q8.あなたが、採用広報を行う中で、人事部と広報部とで連携する際に感じたことのある課題を教えてください。(複数回答)」(n=151)と質問したところ、「採用広報に時間を割いてもらえない」が58.9%、「採用広報についての理解度が低い」が51.0%、「KPIや目的にズレがある」が43.7%だった。
部署による役割やミッションの違いにより、採用における課題を共有しながら連携して動くことに課題を感じられている人が多いという実態が明らかになった。
その他に「牽制しあい時間がかかる」や「連携ができていない」などの課題も
Q8で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q9.Q8で回答した以外に、採用広報を行う中で、人事部と広報部とで連携する際に感じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=150)と質問したところ、「牽制しあい時間がかかる」や「連携ができていない」など79の回答を得られた。
大企業の経営・人事責任者の約9割が新たな採用手法を模索し、アップデートしていきたい意向
「Q10.あなたは、今後採用広報に注力するために、より効果的な採用手法にアップデートしていきたいと思いますか。」(n=208)と質問したところ、「非常にそう思う」が42.4%、「ややそう思う」が47.1%となった。
ここまでの調査結果で、様々な課題を抱えている実態が明らかとなったが、それでも必要な人材を獲得していくために、新たな採用手法を模索していきたいという意向を約9割の経営・人事責任者が持っているということが分かった。
なお、同調査レポートは、同社のWebサイトからダウンロードできる。
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