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くるみん(次世代育成支援対策推進法の認定・特例認定制度)とは? 種類・基準や申請方法

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 一定の基準を満たした子育てサポート企業に対し、厚生労働大臣が認定する制度「くるみん認定」。毎年200社以上のペースで認定を受ける企業が増えているといいます。本記事では同認定制度の概要と、認定の種類、認定基準、申請方法などについてガイドします。

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必ずチェック! ポイント

  • 次世代育成支援対策推進法の認定・特例認定制度には、子育てサポート企業を表す「トライくるみん」「くるみん」「プラチナくるみん」の3種がある
  • くるみん認定に加え、不妊治療と仕事両立に取り組む企業を後押しする「プラス認定」制度が創設された
  • 認定の種類が令和4年4月に増加したことに伴い、各認定の男性育休取得率などの基準が変更となっている

関連サイト・資料

3分でチェック! 次世代育成支援対策推進法の認定・特例認定制度

 次世代育成支援対策推進法では、企業の自発的な次世代育成支援を促すため、認定・特例認定制度を設けています。策定した「一般事業主行動計画」の目標を達成するなど、基準を満たした企業が申請すると、厚生労働大臣より認定を受けられます。各認定を受けた企業は「子育てサポート企業」としてPRも可能です。

 認定・特例認定制度の種類は次表のとおりです。

 トライくるみん、くるみん、プラチナくるみんでは、男性育児休業取得の基準が異なります。また、3つの認定の中で、プラチナくるみんが最も満たすべき基準項目が多くなっています。

 これらの認定を受けると、次のような認定マークを商品、広告、求人広告などに付記できることに加え、公共調達・入札において加点評価がされるメリットがあります。

(出典:厚生労働省 広島労働局)
(出典:厚生労働省 広島労働局

認定・特例認定制度について

対象企業

 認定・特例認定制度は、一般事業主行動計画を策定したすべての企業が申請できます。

 従業員101名以上の企業では、一般事業主行動計画の策定は義務となっていますが、認定・特例認定申請は任意です。また、従業員100人以下の企業では、一般事業主行動計画の策定は努力義務ですが、策定すれば認定マークの取得は可能です。

トライくるみん認定基準

 トライくるみん認定の基準は次の10項目です。すべて満たす必要があります。なお、「★」マークが付いている項目のみ、くるみん、プラチナくるみんと基準が異なります。

  1. 雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと
  2. 行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること
  3. 策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと
  4. 策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること
  5. 次のいずれかを満たすこと
    1. 計画期間における男性の育児休業等取得率が7%以上
    2. 計画期間における男性の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合わせて15%以上かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること
  6. 計画期間における女性の育児休業等取得率が75%以上であること
  7. 3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、「育児休業制度、所定外労働の制限、短時間勤務・フレックスタイム制・時差出勤等の制度」を講じていること
  8. 計画期間最終日の事業年度において次のいずれも満たしていること
    1. フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満
    2. 月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいない
  9. 次の13のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施している
    1. 所定外労働の削減のための措置
    2. 年次有給休暇の取得の促進のための措置
    3. 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークなど、働き方の見直しとなる多様な労働条件の整備のための措置
  10. 法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと

くるみん認定基準

 くるみん認定の基準は次の10項目です。すべて満たす必要があります。なお、「★」マークが付いている項目のみ、トライくるみん、プラチナくるみんと基準が異なります。

  1. 雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと
  2. 行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること
  3. 策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと
  4. 策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること
  5. 次のいずれかを満たすこと
    1. 計画期間における男性の育児休業等取得率が10%以上であり、この割合を「両立支援のひろば」で公表している
    2. 計画期間における男性の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした 休暇制度利用率が合わせて20%以上であり、この割合を「両立支援のひろば」で公表していて、かつ育児休業等取得者が1人以上いること
  6. 計画期間における女性の育児休業等取得率が75%以上であり、この割合を「両立支援のひろば」で公表していること
  7. 3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、「育児休業制度、所定外労働の制限、短時間勤務・フレックスタイム制・時差出勤等の制度」を講じていること
  8. 計画期間最終日の事業年度において次のいずれも満たしていること
    1. フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満
    2. 月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいない
  9. 次の13のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施している
    1. 所定外労働の削減のための措置
    2. 年次有給休暇の取得の促進のための措置
    3. 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークなど、働き方の見直しとなる多様な労働条件の整備のための措置
  10. 法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと

プラチナくるみん特例認定基準

 プラチナくるみん認定の基準は次の12項目です。すべて満たす必要があります。なお、「★」マークが付いている項目のみ、くるみん、トライくるみんと基準が異なります。

  1. 雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと
  2. 行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること
  3. 策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと
  4. 策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること
  5. 次のいずれかを満たすこと
    1. 計画期間における男性の育児休業等取得率が30%以上であること
    2. 計画期間における男性の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合わせて50%以上、かつ育児休業等を取得者が1人以上いること
  6. 計画期間において女性の育児休業等取得率が75%以上であること
  7. 3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、「育児休業制度、所定外労働の制限、短時間勤務・フレックスタイム制・時差出勤等の制度」を講じていること
  8. 計画期間最終日の事業年度において次のいずれも満たしていること。
    1. フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満
    2. 月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと
  9. 次の13のすべての措置を実施しており、かつ①または②のうち、少なくともいずれか 一方について、定量的な目標を定めて実施し、目標を達成したこと
    1. 所定外労働の削減のための措置
    2. 年次有給休暇の取得の促進のための措置
    3. 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置
  10. 出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業等の利用者を含む)している者の割合が90%以上。または、出産した女性労働者および出産予定だったが退職した女性労働者の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職している者(子の1歳誕生日に育児休業等の利用者を含む)の割合が70%以上であることを満たすこと
  11. 育児休業等をした者や育児を行う女性労働者に対して、就業を継続し、活躍できるような能力の向上またはキャリア形成支援の取り組みにかかる計画を策定し、実施していること
  12. 法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと

プラス認定基準

 くるみんなどの認定基準を満たしたうえで、次の4項目をすべて満たす必要があります。

  1. 次のいずれの制度も設けていること
    1. 不妊治療のための休暇制度(不妊治療を含む多様な目的で利用することができる休暇制度や利用目的を限定しない休暇制度を含む。年次有給休暇は含まない)
    2. 不妊治療のために利用することができる半日単位・時間単位の年次有給休暇、所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、テレワークのうちいずれかの制度
  2. 不妊治療と仕事との両立に関する方針を示し、講じている措置の内容とともに社内周知していること
  3. 不妊治療と仕事との両立に関する研修、その他の不妊治療と仕事との両立に関する労働者の理解を促進するための取り組みを実施していること
  4. 不妊治療を受ける労働者からの不妊治療と仕事との両立に関する相談に応じる担当者(両立支援担当者)を選任し、社内に周知していること

認定取得の流れ

 行動計画を策定する流れは、次の6ステップです。1の行動計画策定の内容、流れはこちらの記事を併せてご確認ください。

  1. 行動計画を策定し、労働者に周知し、策定した旨を届け出ます
  2. 計画期間終了後に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ「トライくるみん認定」「くるみん認定」申請をします
  3. 「トライくるみん認定」「くるみん認定」のマークが付与されます
  4. 「トライくるみん認定」「くるみん認定」後の行動計画期間が修了した後、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ「プラチナくるみん認定」の申請をします
  5. 優良な子育てサポート企業として、「プラチナくるみん認定」のマークが付与されます
  6. その後、毎年少なくとも1回は次世代法の実施状況を公表します

認定・特例認定申請の方法

 くるみん認定・トライくるみん認定の申請は「基準適合一般事業主認定申請書」(様式第二号)、プラチナくるみん認定の申請は、「基準適合認定一般事業主認定申請書」(様式第三号)を提出します。

 また、すでにプラチナくるみん認定を受けている企業が追加でプラス認定を受けようとする場合、特例認定申請書(様式第三号の二)より申請する必要があります。

 これらの様式は、厚生労働省のWebサイトよりダウンロードできます。

 なお、労働局への持参・郵送だけでなく、e-Gov電子申請でも申請できます

公表・実施状況(令和4年・5年度実績)

 令和4年3月末時点で、くるみん認定は3801社、プラチナくるみん認定は484社です(認定決定をした企業のうち企業名公表に了解を得た企業の数)。

 厚生労働省「しょくばらぼ」内で、くるみん認定とプラチナくるみん認定を取得している企業などの職場情報を検索できます。

 また、厚生労働省「くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧」で、全国の認定・特例認定企業名が公表されています。

相談窓口

 次世代育成支援対策推進法による行動計画の策定や認定制度に関しての相談は、最寄りの次世代育成支援対策推進センターや、都道府県労働局雇用・環境均等部(室)で受け付けています。

関連記事

 一般事業主行動計画に関する情報は、人事法令ポータル「次世代育成支援対策推進法(次世代法)とは? 一般事業主行動計画の策定・届出義務」をご覧ください。

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この記事の著者

横内 さつき(ヨコウチ サツキ)

中小企業の採用コンサルタント/人事労務・金融など専門領域の編集者・ライターとして活動する複業フリーランス。パーソルキャリアで求人広告営業、人材系スタートアップにて子育て世代や外国籍向け人材事業を経験。生命保険やカフェ店長、Web制作会社など、異業種の経験も豊富に持つ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

内山 美央(ウチヤマ ミオ)

うちやま社会保険労務士事務所 代表。新卒3年目で社会保険労務士資格を取得。人事ベンチャーにて勤怠管理システムの導入コンサルティング、大手イベント会社の人事部にて人事制度改革や労務DX推進に携わる。独立後は経験を活かし、IT導入やテレワーク・フレックスタイム制など、社員が働き続けたくなる会社づくりを支援。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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