リクルートは中途採用の採用プロセスについて、企業の人事担当者に調査を実施した。
中途採用は一般的に、「採用戦略の立案」「採用予算の管理・運用」「募集要項の考案・作成」「採用手法の選定」「応募者の選考(書類選考・面接・合否確定)」「内定出し」「内定者のフォロー」というプロセスで実施される。調査では、これらの採用プロセスごとに、どの部門の担当者が関わっているのかを企業の人事担当者に聞いた。
プロセスに配属部門が関わるほうが採用がうまくいく
中途採用における「採用戦略の立案」について、人材を求めている部門(責任者または担当者)が採用に関わっているか否かを質問した。人材を求めている部門が採用に関わっている企業のほうが、関わっていない企業と比べ、「採用が上手くいっている」と回答した割合が14.4ポイント高い結果となった。
その他の詳細は、同社の発表から確認できる。
また、結果を受けて、リクルート HR統括編集長 藤井薫氏は次のように解説している。
「構造的な人材不足、人材争奪戦の激化、中途採用の難易度上昇。こうした中で、企業は中途採用の成功に向け何を強化すればよいのか? 今回企業の人事担当者840人の声から、中途採用の成功のカギを探りました。採用成否のカギとして明らかになったのは、中途採用プロセスにおける人材を求めている事業部門の関わりの差です。
- 採用戦略立案に事業部門が関わっている企業のほうが、採用がうまくいっている(14.4ポイント高い)
- 応募者の選考に事業部門が関わっている企業のほうが、採用がうまくいっている(6.5ポイント高い)
- 内定者フォローに役員・人事責任者が関わる企業のほうが、採用がうまくいっている(14.3ポイント高い)
これらの結果から、戦略立案、応募者選考、内定者フォローといった採用プロセスに、人事部門以外の事業部門の責任者や役員が関わることの重要性が浮かび上がります。こうした経営、人事、現場の三位一体の採用体制と採用プロセスの差は、複数企業を併願、内定を持つ求職者の目には、企業全体の中途採用者への期待やスタンスの差として映ります。
人事部門だけが孤軍奮闘する採用から、事業部門と経営ボードがともに関わる採用へ。今、外部労働市場から、中途採用成功のカギとなる企業の採用スタンスと採用プロセスが問われています」(藤井氏)
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:2022年度に中途採用を実施した企業の人事担当者
- 有効回答数:840人
- 調査実施期間:2023年3月30~31日
- 調査機関:リクルート
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