パーソルホールディングスは、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表、同調査の中から「各年代の仕事満足度」を発表した。
仕事全体の満足度
「仕事全体の満足度」について、「満足」と答えた割合が最も少なかった年代は40代で44.4%という結果だった。一方で、「満足」と答えた割合が最も高かったのは10代で68.0%、次に高かったのは60代で58.9%となった。若年層が高く、ミドル層になるにつれて低下し、シニア層になって回復する傾向が見られた。
仕事の忙しさに関する満足度
「忙しさが適切であること」について、「満足」と答えた割合が最も少なかった年代は30代、40代でいずれも40.8%という結果だった。一方で、「満足」と答えた割合が最も高かったのは10代で57.3%、次に高かったのは60代で55.0%だった。
経験・能力の活用に対する満足度
「経験・能力が活かせる仕事があること」について、「満足」と答えた割合が最も少なかったのは40代で42.8%だった。一方で、「満足」と答えた割合が最も高かったのは60代で56.5%、次に高かったのは10代で54.9%だった。
キャリア・方向性に対する満足度
「自分のキャリア・方向性と合った仕事ができること」について、「満足」と答えた割合が最も少なかったのは40代で34.7%だった。一方で、「満足」と答えた割合が最も高かったのは10代で53.4%、次に高かったのは60代で47.3%だった。
また、パーソル総合研究所 研究員 金本麻里氏は、同調査の結果を次のように考察している。
「仕事への満足度が40代で最低水準になることは、多くの調査データからよく知られている。本調査のデータからは、とくに『自分のキャリア・方向性と合った仕事ができること』への満足度が20代と比べ約10ポイントも低く、40代で思い描くキャリアどおりの仕事ができる人の少なさがうかがえる。
そもそも40代は、『中年の危機』といわれるように、人生においてもキャリアにおいても、それまで登り調子だったものが変化することで、考え方の転換を迫られる時期とされる。加えて、日本の雇用環境は、伝統的に会社主導の異動が行われてきたため、他社でも通用するような確固たる専門性を持てず、かつ自分なりのキャリアプランを考える機会もなく40代になった会社員も多い。
最近では、会社主導の異動に従っていれば老後も安泰という時代ではなくなってきた。自らキャリアを模索し、将来設計をしようとする40代が増えていると考えられる。45歳以上の転職者数は、2010年から2020年にかけて145%と増加した。40代からのキャリアについて、動向を注視する必要がありそうだ」(金本氏)
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:オンライン
- 調査時期:2023年3月
- 調査対象:15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
- 調査人数:10万人
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