マイナビは、全国の企業と個人を対象に、「中途採用・転職活動の定点調査(2023年10月~12月)」を実施した。
勤め先を選んだ理由は「新しいキャリア・スキルを身に付けられる」が最多
23年10~12月に中途入社者がいた企業は22.2%だった。中途入社者に前職の業種を聞いたところ、「IT・通信・インターネット」が29.3%と最も高く、前回比では8.3ポイント、前年同月比では9.7ポイント増加した。
現在の勤め先を選んだ理由を聞くと、「新しいキャリア・スキルを身につけることができる」(11.3%)が最も高く、前回調査時に高かった「給与が良い」(10.8%)を逆転した。
同社は、専門的なスキルや経験が必要とされる「IT・通信・インターネット」業界の転職者が増えたことから、自身のスキルアップを意識した転職が増加したのではないかと述べている。
20代は「マネジメント」への興味が他年代よりも高い
次に、リスキリングの取り組みを実施、または実施予定の企業に対してその分野やテーマを聞いたところ、「マネジメント」(39.8%)が最も高く、次いで「営業スキル」(37.8%)となった。
また、リスキリングを実施する社員の役職は「係長・職長・主任クラス」(65.0%)が最も高く、昨年と比較すると「課長クラス」(5.7ポイント増)、「部長クラス」(6.1ポイント増)と中間管理職層で大きく増加し、企業内でマネジメントスキルの向上が必要になっていることがうかがえる。
一方で、現在リスキリングに取り組んでいる人、または必要性を感じている人に対して、興味のある分野やテーマを聞くと、「データ分析」(38.4%)が最も高かった。業種・職種を問わず、膨大なデータの利活用が重要視されている昨今、分析ツールの充実も相まって、汎用的に使えるスキルとして人気が高いと考えられるという。企業がリスキリングを実施している分野で最多の「マネジメント」(33.9%)は5番目で、企業と求職者でリスキリングが必要と考える項目に乖離が生まれる結果となった。
また、企業では主任や中間管理職へのリスキリングに力を入れ始めているが、20代は「マネジメント」への興味が40.0%と他年代よりも高いことが明らかになった。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:<企業>2024年1月5日~9日 <個人>2024年1月5日~9日
- 調査方法:Webアンケート調査
- 調査対象:<企業>スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人/本調査対象:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3ヵ月で採用活動を行う予定の人、直近3ヵ月に中途入社者がいた人 <個人>スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20‒50代の正社員/本調査:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3ヵ月で転職活動を行う予定の人、直近3ヵ月に中途入社者がいた人
- 有効回答数:<企業>スクリーニング調査:2253名/本調査:855名 <個人>スクリーニング調査:2万2054名/本調査:1385名
【関連記事】
・人事総務の求人年収は平均584万円 「人事・総務の転職市場レポート2024」を発表—MS-Japan
・リモートワークができなくなったら転職を検討する人は6割以上—doda調べ
・地方部の転職者が7年で3.32倍に増加 異業種・異職種への転職が約4.5割を占める—リクルート調べ