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インタビュー《人材採用》| 部門協働型のキャリア採用

味の素社が挑む「部門協働型」キャリア採用 現場で高まる即戦力採用の熱を人事はどう活動に落とし込むか


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 コロナ禍を経て、企業の採用活動は一段と難しさを増している。特に、即戦力人材の採用を巡っては、大企業であってもハードルが高い。こうした中で、大手食品企業である味の素株式会社は、募集部門と人事部門が協働し、キャリア採用、しかも自社から直接人材をスカウトするダイレクトリクルーティングを行い、成果に結びつけている。本記事では、その取り組みのキーマンである同社人事部の井上泰輔氏と中澤美紅氏に話を聞いた。

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高まる即戦力ニーズに応えてキャリア採用の専任を置く

――募集部門と連携したキャリア採用が始まったのはいつですか。

井上泰輔氏(以下、井上) キャリア採用の専任として、中澤さんが入社した2022年7月以降です。それ以前もキャリア採用は行っていましたが、年間で20~30人の採用人数でした。私が2021年に人事部門に着任した当時は、採用チームはわずか4名体制。新卒採用や新人研修などに追われ、キャリア採用にまで手が回っていませんでした。

 そうした中、キャリア採用のニーズが一段と高まり、力を入れていく方針となりました。そこで、キャリア採用の専任を置いたほうがよいと考え、中澤さんにオファーしたという経緯です。

井上泰輔氏

井上泰輔(いのうえたいすけ)氏

味の素株式会社 人事部人事グループ 採用チーム長

2006年に新卒で同社に入社。15年ほど営業部門に在籍し、2021年7月人事部に異動。以来、採用チーム長を務め、新卒採用、新卒入社者研修、キャリア採用を管掌する。

――キャリア採用のニーズはなぜ高まったのでしょうか。

井上 当社は「2030年にありたい姿」を掲げています。そこから逆算して考えたときに、新卒で採用した社員を育成するだけでは、ありたい姿にたどり着けないと感じた部門が多くありました。

 これまでは新卒採用をメインに人材を獲得してきたため、採用体制も、新卒採用業務をメインに構成されていました。そのため、採用チームの4名全員が新卒採用業務に追われ、各部門からキャリア採用の要望があっても、新卒採用の繁忙期は対応が難しい状況でした。

 そこで、採用体制にとらわれず、通年でキャリア採用を行えるように専任担当者を置くことを決定し、2022年7月に中澤さんが入社したことでキャリア採用の取り組みが一気に加速しました。

――では、中澤さんは、入社当時の状況をどうご覧になりましたか。

中澤美紅氏(以下、中澤) キャリア採用に通年で取り組んでいくためには、募集部門と人事部門で採用を進めていく部門協働型しかないと思いました。当時、キャリア採用の担当者が私1人であるのに対し、採用計画は年間100人近いものでした。そのため、募集部門と人事部門の連携なしには、増え続ける採用ニーズには応えられないという危機感がありました。

中澤美紅氏

中澤美紅(なかざわ みく)氏

味の素株式会社 人事部人事グループ キャリア採用リーダー

前職は人材サービス会社のコンサルタント。クライアント企業のキャリア採用を支援する。2022年7月同社にキャリア入社し、人事部でキャリア採用の立ち上げに従事。現在は、キャリア採用のリーダーを担う。

――当初から部門協働型でキャリア採用を成功させられるイメージがあったのでしょうか。

中澤 部門の方々のキャリア採用への温度感は高まっていました。その熱量を採用活動に落とし込めれば、獲得の難しいキャリア採用でも成果を最大化できるのではないかと考えました。

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

袖山 俊夫(ソデヤマ トシオ)

上智大学法学部卒。上場企業に入社し、宣伝部に在籍。その後メディア・コーディネーターとして独立。以来、多くのフリーランススタッフと案件ごとにユニットを編成し、大手新聞社グループ各社が発行する媒体のコンテンツ制作をハンドリングする。現在は、執筆業に専念。経営やHR分野を中心に、企業経営者や人事責任者、大...

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