強い専門性を持つITエンジニアにとって魅力的な会社とは
岡本勇一氏(以下、岡本) お二人は2024年1月にキャディに入社されて、まだ日が浅いと伺っております。まずはそれぞれ、入社の経緯をお聞かせいただけますか。
藤倉成太氏(以下、藤倉) 前職のSansanでは、18番目の社員として、立ち上げ期から15年間、勤めていました。開発の責任者やCTO、海外の開発子会社の立ち上げなど、いろいろな経験をさせてもらったのですが、私はもともと機械工学を専攻していたこともあり、製造業への未練が捨てきれませんでした。この先の人生を考えて、もう一度チャレンジしたいなと思ったときに、縁あってキャディに入社することになりました。私はSaaS事業に携わった経験が長いので、図面データ活用クラウド「CADDi Drawer」(以下、Drawer)の開発組織全体の責任者として、さらに事業を大きくグロースさせるための組織強化を求められていると思っています。
山本裕介氏(以下、山本) 私はプログラマーからキャリアをスタートして、インフラエンジニアやSEを経験した後、IIJで10年間、インフラサービスの企画・設計・構築・運用に携わってきました。そして40歳を迎えたときに、「これまでずっとBtoBをやってきたけれど、BtoCの世界でも自分の技術が通用するのか試してみたい」と思うようになり、DMMに転職。ここからはセキュリティにグッとシフトして、LINEでエンタープライズリスクマネジメントを経験したり、スタートアップでセキュリティの責任者を務めたりしました。前職では、連結会計・連結決算システムを提供するプライム上場企業で、データセキュリティと向き合ってきました。
それからキャディを選んだ理由ですが、私の父がモノづくりの人だったので、子どものころから製造業に対する憧れや尊敬みたいなものがあって。それに今回新たにDrawerの提供が始まり、図面のデータという機密情報を守るために重要なセキュリティの技術者を探しているということで、自分のこれまでの経験を落とし込める良い機会だなと思ったんですよね。採用面談でCEOやCTOとお話ししたときに、2〜3年後のビジョンがすごくクリアで、その過程で自分にどんな期待をしてくれているのかも明確に伝わったので、「ここなら良いパフォーマンスを発揮できるだろう」と感じて、入社を決めました。
大月理花氏(以下、大月) 強い専門性を持つお二人が会社選びで重視されるのは、どのようなところですか。
山本 大前提として、「その会社の事業に対して、自分がワクワクできるのかどうか」です。やらされるのではなく、いっしょにゴールを目指して伴走したいので。次に、会社のバリューやミッション、創業者の哲学などに共感したうえで、「自分が最大限のパフォーマンスを出せる環境なのかどうか」ですね。カルチャーが合わなければパフォーマンスも発揮できないので、そういう意味では、自分がその会社に入って馴染めるかどうかも、気にしているところではあります。
藤倉 強い専門性を持つ人たちは会社への貢献意欲が強いですからね。ワクワクしないことに対して当事者意識を感じられるはずがありませんし。その点は私自身も同じです。
では、どうやってワクワクしてもらうのか。それは、会社が常に伸び続けて、成長し続けることです。安定した企業ではすでにルーティーンができていますから、ワクワクするような難しいタスクは存在しにくい。安定しているのは良いことなのかもしれないけれど、強い専門性を持つ人たちにとっては、自分の価値を発揮できずに評価されにくい環境だともいえるわけです。