NEWONEは、618名の20~40代の会社員を対象に、「仕事・職場に関するアンケート」調査を実施し、その結果を発表した。同調査では、「働きがい」と「働きやすさ」の観点から、職場を4象限に分類している。
- 働きがいを感じ、働きやすい職場:推せる職場
- 働きがいを感じ、働きにくい職場:ストイックな職場
- 働きがいを感じにくく、働きやすい職場:優しすぎる職場
- 働きがいを感じにくく、働きにくい職場:残念な職場
自分が働く職場を「働きがいを感じ、働きやすい職場」と回答した人は、最も少ない18%だったが、回答者の半数以上(59%)が自分の職場を“推せる(推奨できる)”と回答。「働きがいを感じ、働きやすい職場」で働くビジネスパーソンほど、自分の職場を「推せる職場」と捉えている傾向が高いことが分かった。
「推せる職場」の4つの特徴
同調査から見えてきた企業や従業員にとってメリットとなる「推せる職場」の4つの特徴は以下のとおり。
1. 仕事の成果にもつながりやすい
働きやすく、働きがいを感じやすい「推せる職場」で働くビジネスパーソンの半数以上は、「仕事に熱中できている(50%)」「主体的に仕事に取り組んでいる(67%)」と回答。優しすぎる職場やストイックな職場よりも仕事に熱中し、主体的に取り組む社員が多いことが明らかになった。本人の充実感だけでなく、成果への連動面においても効果が高いと考えられる。
2. 採用活動にも効果的
「推せる職場」で働くビジネスパーソンは、会社の方向性や仕事内容、キャリア、組織などへの共感度が他の職場よりも高いことが判明。リファラル採用が活発になるなど、カルチャーフィットする人材の紹介につながる効果が期待される。
3. 長期的なキャリア形成ができる
「推せる職場」では、残業や過度なプレッシャー、ハラスメントが少なく、離職予備軍が他の職場と比べて最も少ないことが判明した。社員の長期的なキャリア形成につながりやすいと考えられる。
4. 入社直後の対応が重要
自分の職場を「推せる職場」と回答した人の就業年数を見てみると、入社1年未満の若手社員が最も多い26%である一方、就業年数が上がるにつれ減少していることが判明。就業年数が上がるにつれ、自分の職場を「推せる職場」と考える人は減少傾向にあることが推測できる。そのため、「推せる職場」を維持するためには入社直後の対応が重要である。また、働き方改革の結果によるものか、自分の職場を「優しすぎる職場」と感じている20代のビジネスパーソンが多い傾向にある。
「推せる職場」をつくるエンゲージメントサイクル
「推せる職場」では、ポジティブ感情、自己決定感、成長・貢献実感が得られており、エンゲージメントを高めるサイクルが回っている状態だと考えられる。
「ポジティブ感情の対象」の傾向
「推せる職場」は会社、チーム、仕事のいずれも「ポジティブ感情を持つ」の傾向が他職場と比較して非常に高い結果となった。“優しすぎる職場”も「ポジティブ感情を持つ」傾向が高いが、仕事に関しては“ストイックな職場”よりも低い傾向にある。
「仕事は自分で決めているという感覚」の傾向
「推せる職場」は、「仕事をやらされている感覚」ではなく、仕事を進める上で「自分で決めているという感覚」である自己決定感が他の職場に比べて高い傾向にあった。
「推せる職場」における自己決定×エンゲージメントの傾向
「推せる職場」における自己決定感については、「目標設定」「キャリア意向」に対して、より強い相関がみられた。また、「働く時間」「働く場所」はさらに相関が弱まり、重要視されていないといえる。
「仕事を通した成長・貢献」の実感度
「推せる職場」は、成長・貢献実感がともに高い割合だった。一方、“優しすぎる職場”は、成長・貢献実感がともに低い傾向となっている。
成長・貢献実感:「感謝・称賛」の傾向
「推せる職場」では、顧客、上司、チームの仲間のいずれからも感謝・賞賛に溢れている。“優しすぎる職場”では、上司の感謝・賞賛は高いが、顧客からの感謝・賞賛が低く、内向き志向が高い傾向にある。上司からの称賛の傾向では、“優しすぎる職場”“ストイックな職場”では上司からの称賛が「自分の感覚とズレた点を褒められ、響かないことが多い」傾向がある。一方、“推せる職場”は上司からの称賛が「自分が工夫したり頑張ったりしたことを褒めてくれて、自分の心に響くことが多い」傾向がみられた。
なお、同調査は、同社Webサイトからダウンロードできる。
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