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100人の壁を突破せよ | 第2回

100人の壁を突破するための「3つの変革」と「人事の本質」とは——“良い人材”を定義する手法も紹介

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 第1回の記事では、企業が従業員数100人未満から100人以上を目指す過程で、採用数に対して応募者が集まりにくくなることや、採用要件を緩和したことによる確執、人材育成の放棄、離職率の高止まり、意思決定の遅れ、組織の縦割り化といった課題、つまり「100人の壁」が生じるとお伝えしました。企業は、これらの事象をどのように突破すればよいのでしょうか。第2回となる本稿では、100人の壁を突破するために必要な「3つの変革」と「人事の役割」をお伝えします。

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「100人の壁」を突破するためは3つの変革が必要

 企業が100人の壁を突破するためには、次の3つを変革する必要があります。

1. マネジメントの変革

 1つ目は、マネジメントの変革です。属人的な勘やセンスに頼らないために、人事施策の「ハード」と「ソフト」を整備する必要があります。ハードは人事戦略・人事制度や育成体系などの仕組み、ソフトはハードを使いこなすための施策や突発的に発生する課題への施策を指します。

 従業員の中に、「好き嫌いで人事評価や報酬が決められているのではないか」という誤解が生まれると、エンゲージメントが大幅に低下し、離職に直結しかねません。しかし。従業員の顔と名前が一致しなくなるほどの規模になると、社長による「神がかり的なバランス調整」や「懐柔策」はもう期待できないのです。

 だからこそ、これまでのマネジメントを変える判断が求められます。

[画像クリックで拡大表示]

2. 管理職の変革

 2つ目は、管理職の変革です。100人の壁を突破するためには、管理職の考え方を変えていく必要があります。

 従業員数が増えることで社長や経営者の目が届かなくなり、代わりに従業員のケアを求められるのは管理職です。そのためには、自社の人事制度を理解して適切に運用するとともに、人材マネジメントに関する基本的な考え方を理解して、実践する必要があります。

 これまでは、とにかく成果を上げさえすれば多少の問題には目をつぶれたかもしれません。しかし、組織で動くことが求められる中小企業では、組織の目標を設定し、部下を育てながら成果を創出する役割が求められるようになります。そのため、管理職の考え方を変える必要があるのです。

3. 人事の変革

 最後に、人事も他人事ではありません。100名を超える企業となると、人事機能を細分化・高度化する必要があります。いろいろな施策を手当たり次第に実施しても、効果が得られにくくなるからです。

 企業として重点を置くべき機能を特定し、最適化していく必要があります。一方で、全体最適の視点も欠かせません。専門性を高めつつ、全体最適も実現するバランス感覚が人事には求められます。

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この記事の著者

山本 遼(ヤマモト リョウ)

株式会社キャスター「CASTER BIZ recruiting」所属コンサルタント。中小企業診断士。建設業のプライム上場企業の経営企画、大手機械メーカーでの人事制度の企画・運用や人事統括、グロース上場企業の総務人事部長などを経て、現職。従業員意識調査・制度運用状況調査などエビデンスベースでの分析を得...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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