エン・ジャパンは、同社が運営する「エン転職」のユーザーを対象に、「出戻り転職」についてアンケートを実施した。
出戻り転職した理由、1位は「即戦力で働けると思った」
一度退職した会社に「出戻り転職」をしたことはあるかと聞いたところ、9%が「ある」と回答した。
出戻り転職のきっかけについては、「在籍時の上司に誘われた」が35%と最多。年代別では、20代と30代で18ポイントの差があった(20代:28%、30代:46%)。
出戻り転職の理由について、「即戦力として働けると思った」が35%で最も多く、次いで「社員や風土になじみがあり、働きやすいと思った」が34%と続いた。また、年代別で見ると「転職先でうまくいかなかった」はポイントの開きが最も大きく、20代は28%に対し40代は8%で、20ポイントの差があった。
出戻り転職をして良かったこと、苦労したことを聞いたところ、自由記述のコメントでは次の回答が寄せられた。
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「良かったこと」の回答
- 業務内容を理解しているため、新しく仕事を覚える必要がなかった(20代男性)
- 基本的なシステム、仕事内容などになじみがあり働きやすい(30代男性)
- 家庭の事情を知っているので、事情も踏まえて働き方を提案してもらえた(30代女性)
- 自分の事を知っている同僚や上司に囲まれている安心感があった(40代女性)
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「苦労したこと」の回答
- 出戻りをよく思っていない職員が一定数いて、嫌がらせを受けた(30代男性)
- 以前と仕事のやり方が変わっており、覚えるまでに時間がかかった(30代男性)
- スタッフが変わっていて、当時と雰囲気が変わっていた(40代女性)
- できて当たり前と思われていることができなかったとき(40代女性)
出戻り転職したい理由「転職後の経験を活かせる」が最多
出戻り転職したことがない人に、出戻り転職したいと思うか質問したところ、「思う」は13%(とても思う:3%、思う:10%)、「思わない」は61%(思わない:26%、まったく思わない:35%)という結果となった。
出戻り転職したいと思う理由について、トップ3は「経験を活かして元の会社に還元できそうだから」(32%)、「かつての部下や同僚がいて、一緒に働きたいから」(27%)、「家庭の都合などで退職したことに悔いがあるから」(25%)となった。年代別では「かつての部下や同僚がいて、一緒に働きたいから」がポイントの開きが最も多く、20代は39%に対し30代は23%で、16ポイントの差が出た。
出戻り転職の検討条件、1位は「給与・待遇が保証される」
出戻り転職したことがない人に、どんな条件・状況であれば、出戻り転職を検討するか質問したところ、「給与・待遇等が保証されている」が48%で最多となった。
なお、自由記述のコメントでは次の内容が寄せられた。
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「給与・待遇等が保証される」と回答した人
- きちんとした評価制度があり、実績や貢献度に応じた報酬があるなら戻ってもいい(30代女性)
- 少しでも休暇が取りやすい環境に変わることがあれば、再入社を検討したい(40代男性)
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「恩のあった社長や社員たちから誘われる」と回答した人
- 一度去った身なので歓迎されるか不安(40代女性)
- 恩のあった方から誘われることがあれば、出戻り転職を検討するかもしれない(40代男性)
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「どんな状況でも出戻り転職はしない」と回答した人
- 退職を決断するほどの嫌な思いをした場所に、戻ることはありえない(20代男性)
- やむを得ない事情で退職していれば考えるが、基本的に自分の意思で退職しているので出戻りはない(30代女性)
同様に、出戻り転職したいと思わない会社について、退職した理由を聞いたところ、トップ3は「給与・待遇」(36%)、「職場の人間関係」(34%)、「勤務時間・残業・休日出勤」(25%)となった。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネットによるアンケート
- 調査対象:エン転職を利用するユーザー
- 調査期間:2024年5月29日~6月24日
- 有効回答数:4353名
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