メルセネールは、転職におけるマイナスギャップの実態と転職活動の課題を明らかにするため、直近5年間に転職経験のある25~49歳の正社員男女を対象にアンケート調査を実施した。
転職者の約6割は転職先に満足も、3人に2人は思い残しがある
転職先の企業に対して「満足している」が16.5%、「おおむね満足している」が42.5%と、合わせて59.0%が満足していると回答した。一方で、「不満である」が7.41%、「やや不満である」が9.4%と、合わせて16.8%が不満を感じていることが分かった。
しかし「転職活動について全く後悔がない」と回答した人はわずか32.6%で、残る67.2%は転職活動に何らかの思い残しがあると回答した。
特に、転職したことに「満足している」と回答した人であっても「他にも良い選択肢があったのではないか」と後悔を抱える人が33.8%も存在している。「おおむね満足している」と回答した人においては61.7%に至った。
これらの結果から、転職した現状に満足感を得ていても、振り返ると転職活動中の情報収集や意思決定に課題を感じている人が多いことが分かる。
転職後、7割以上がマイナスギャップを経験
転職前に聞いていた・期待していたことと、転職後の現状にマイナス方向のギャップがあるいわゆるマイナスギャップについて調査した結果、転職者の7割以上が転職後に何らかのマイナスギャップを経験していることが明らかになった。
その内訳として最も多かったのは、「組織文化や職場の雰囲気が合わなかった」という事前に把握しにくい要素。また、「期待していた業務や役割でなかった」「スキルが活かせる環境ではなかった」という回答も挙がり、転職を通じて期待していたキャリアアップの実現が必ずしも想定通りにはいかない現実が明らかになった。
情報収集の壁は高く、分からないまま判断せざるを得ない
入社決定時の悩みについて調査したところ、「賞与などお金の面で経済的に安定するか・どの程度もらえるのかが分からない」が27.1%で最多となり、次いで「労働時間や休暇の取得状況など、実際の就労環境はどのようであるか分からない」が25.9%と続いた。これらは入社を判断するにあたって多くの人が気にしている要素にもかかわらず、上位にあるということは、転職者にとってリアルな情報収集が難しい現状を示しているという。
また、「自分にとって合う会社なのか」が25.9%、「自分が活躍できるか」が23.4%と続き、企業側の問題だけでなく転職者のスキルなどの要因を含む項目だが、確たる自信が持てないまま判断せざるを得ない状況が示唆されたとしている。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2024年7月11~26日
- 調査方法:Freeasyによるオンラインアンケート
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対象:
- 直近5年間に転職経験のある正社員の男女
- 年齢:25~49歳
- 年収:600万円以上
- 有効回答数:393
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