オラクルは、人事およびビジネス・リーダーが従業員エクスペリエンスを変革し、従業員の生産性を最適化する「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management」(以下、Oracle Cloud HCM)に搭載される新しいロール・ベースのAIエージェントを発表した。
Oracle Cloud HCMに組み込まれた新しいAIエージェントは、従業員1人ひとりに合わせたキャリア・サポートの提供、管理業務の自動化、入社手続きや契約実務から業績評価や福利厚生に至るまで、多くのプロセスの合理化を通じて、従業員エクスペリエンスおよび生産性の向上を支援するという。サポート内容は次のとおり。
キャリアおよび能力開発
- キャリア・プランニング・ガイド:従業員の実行可能なキャリア形成の計画を支援。たとえば、エージェントは個々の従業員プロファイルに基づいて推奨されるキャリア目標を提案し、それらの目標を達成していくための計画を提供するという。また、経験や興味に基づいて、利用できるスキル開発およびキャリアアップ・プログラムの概要を提供するとのことだ
- パフォーマンスおよび目標アシスタント:従業員のパフォーマンス目標の設定と達成までのプロセスを支援。たとえば、エージェントは目標に関する記述の改善を提案したり、従業員がパフォーマンス・レビュー前に目標を達成したりするための計画立案を支援するという
- 学習およびトレーニング・アドバイザー:従業員がスキルとキャリアの向上につながる学習やトレーニングの機会を見つけられるよう支援。たとえば、エージェントは従業員の過去のトレーニング、現在のスキルセット、将来のキャリア目標に基づいて、特定のトレーニングや能力開発の機会を推奨できるとしている
報酬および福利厚生管理
- タイムカード・アシスタント:従業員のタイムカード提出の自動化を支援。たとえば、エージェントは、従業員の勤務時間の記録が正確であることを確認しながら、タイムカードをタイムリーかつ正確に提出できるようにするという
- 源泉徴収ガイド:従業員の源泉徴収の理解と選択を支援。たとえば、エージェントは、米国の源泉徴収のためのW-4フォームの記載方法について従業員を指導することで、正しい税額が源泉徴収されるようにするとのことだ
- 報酬ガイドライン・アナリスト:マネージャーがチームの基本給決定を検討する際に役立つという。たとえば、エージェントは、新規採用や昇進時の報酬の決定に際して、市場動向や企業方針についての洞察や情報を提供できるとしている
- 休暇欠勤アナリスト:従業員が休暇および欠勤に関するポリシーを理解できるよう支援。たとえば、エージェントは休暇欠勤の申請をサポートし、従業員が個々の状況に応じた既得権利や福利厚生を理解できるよう手助けするとのことだ
従業員ライフサイクル管理
- 新規採用者のオンボーディング・アシスタント:新規従業員がオンボーディング・プロセスをスムーズに進められるよう支援。たとえば、エージェントは、会社のポリシー、企業文化、必要なリソースに関する情報を提供するなど、新規採用者の入社後のサポートを行えるという
- 求職者アナリスト:従業員が組織内の新たな機会を特定し、準備できるよう支援。たとえば、エージェントは履歴書のヒント、面接指導、求人戦略を提供するなどして、キャリアアップや社内異動をサポートするという
- 特典および賞賛・アナリスト:従業員が会社から提供される福利厚生を最大限に活用できるよう支援。たとえば、利用できる会社の特典や、受賞資格のある賞について従業員に通知できるという。また、エージェントは、マネージャーに対して、ポリシーに関する情報や、チームに提供できる表彰プログラムに関する情報を提供できるとしている
- 個人情報と雇用情報アシスタント:従業員がプロファイルを最新の状態に保ち、雇用上のマイルストーンに関する情報にアクセス可能に。たとえば、エージェントは個人および雇用情報を管理・更新し、昇進、異動、転勤などの従業員ライフサイクル・イベントに関する情報を提供することで、正確性と企業ポリシーへの遵守を可能にするという
- 従業員契約アナリスト:従業員の雇用契約の管理を支援。たとえば、エージェントは契約をレビューし、条項を要約することで、従業員が契約条件を理解する手助けをするとのことだ
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