リネットワーキングがシニアの新しい役割や挑戦を生み出す

野澤 定年後の雇用についても教えてください。御社ならではの考え方はありますか。
花田 65歳で定年を迎えた後も、日揮の社員として勤務を続ける道と、子会社の人材派遣会社を通じて関わる道の2つを用意しています。本人の意欲や会社の都合に応じて選択する仕組みです。また、理事職を終えた後も、これまで培ってきた経験を活かして社員として活躍できる道を設けました。
さらに2024年から、「JGCマラソンディ」という取り組みも始めました。これは、日揮入社後に42.195年間、社会で勤続した社員を対象とした制度で、マラソンの距離にちなんでいます。初回には約80名が参加しました。同窓会のようなものですが、単なる慰労会ではなく、人生100年時代を見据え、新たなネットワークやコミュニティづくりの場として位置付けています。
野澤 発想もネーミングもユニークですね。
花田 これも一種のリスキリングであり、リネットワーキングだと思っています。実は、日揮には昔からOB/OG会があります。これとうまく連携すれば、エンジニアリング会社ならではの社会貢献の場になる可能性があります。
日揮を離れて別の会社に転職した人でも構いません。縦・横・斜めにつながるプラットフォームの中で、新しい挑戦ができる場があれば面白いと思っています。
野澤 リスキリングは年齢を重ねるほど必要性を感じるものですが、そこにリネットワーキングが組み合わさるわけですね。多くの企業は、このリネットワーキングを十分に行えていません。しかし、それが実現すれば、単なる思い出話ではなく、もう一度新しい役割や挑戦を生み出すネットワークになる可能性があります。
花田 2028年、おかげさまで日揮グループは創立100年を迎えます。少なくとも42年以上続く企業で、こうした取り組みが広がれば面白いと思います。
「マラソン」と聞くと皆で走るイベントのように思われますが、実際には長年社会で活躍してきたベテランたちが集い、乾杯しながら新しい挑戦を語り合う場です。この輪が、我々のオフィスがあるみなとみらい21地区(MM21)で企業を超えて広がって「MM21マラソンディ」に進化する。その日はランナーではなくベテランがMM21に集まり、横浜港から世界に向けてメッセージを発信する、そんな場を実現できたらいいなと思っています。まあ、夢のような話ではありますがね(笑)。

