10月10日に発表されたDODA転職求人倍率レポートによると、2017年10月の転職求人倍率は、 前月比−0.11ポイントの2.25倍になったという。 求人数は前月比104.0%、 前年同月比118.4%となり、調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新している。転職希望者数は前月比109.1%、 前年同月比131.9%であった。
業種別に見ると、9業種すべてで求人数が増加しており、特に伸びたのは「メディア」(前月比109.0%)、「IT・通信」(前月比104.8%)となっている。また、業種別に見た場合、11職種のうち「技術系(メディカル)」(前月比99.6%)を除く10職種の求人数が増加している。
一方で、転職求人倍率は、転職希望者数の増加幅が求人数のそれを上回ったため、下降している。業種別に見た場合は11業種すべてが前月より下落しているものの、職業別に見ると、「技術系(化学・食品)」の1.26倍で前月比0.17ポイントの増加、また「専門職」は6.35倍で前月比0.36ポイントの増加であり、この2職種に関しては求人倍率が増加していることから、求人数が特に伸びたといえよう。
年間採用計画達成に向け、企業の採用活動が活発化。11月以降求人倍率は上昇へ
DODA編集長の大浦征也氏は「下半期が始まる10月は、年間採用計画の達成に向けて中途採用に力を入れる企業が増えたことや、上期の業績状況により新たな求人を出した企業があり、求人数が増加している。転職希望者数も、年明けからの転職を希望し活動を始める人が増えたため、最高値を更新している。求人倍率が下降した理由は、求人数、転職希望者数ともに増加したものの、転職希望者数の増加幅が求人数の増加幅を上回ったため」と、10月の転職希望者数と求人倍率の関係について解説する。
また、今後の求人倍率と転職市場の展望について、「11月以降の求人倍率は上昇する見込みで、転職したい人にとっては希望の条件をかなえやすい市況が続くだろう。例年11月から年末にかけて、転職希望者の活動は落ち着く傾向にある一方で、企業は年末まで活発に採用活動を行うようになっているのがここ数年のトレンドなので、これから転職活動を始める人にとっては、絶好の機会と言える」(DODA編集長 大浦征也氏)と語っている。
なお、この調査レポートにおける「転職求人倍率」の定義は、DODAエージェントサービスの登録者1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値となる(小数第3位を四捨五入)。