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インタビュー《人材活用》| 社内の人材流動性アップ

離職を防ぎ活躍を促す「公募制度」と「社内スカウト」 摩擦が生じず現場の理解も得られるルールメイクとは

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社内の摩擦は乗り越えられる

——公募制度などによる社内の人材流動性を健全に高めるためには何が必要でしょうか。

 まず、経営層に社員の自発的なキャリアへの意欲を評価してもらい、会社を魅力的にして社員から選ばれるようにしていくという思想・ビジョンを持ってもらうことが重要なのではないでしょうか。仮に人が抜けやすいA事業部と人が集まるB事業部があったときに、「A事業部からどんどん人が抜けるじゃないか」と嘆くのではなく、「A事業部が魅力的な組織になるためにどう努力してもらうか」とマインドを切り替えてもらうことが必要です。

——とはいえ、仕組みが出来上がった既存事業など、同じことの繰り返しで業績が上がる部署などの場合、社員の挑戦や成長につながりにくく、魅力を高めるのは至難の業ではないですか。

 おっしゃるとおりです。ただ、そこで魅力を高めるのが難しいと思うと、試合終了になってしまいます。現場のメンバーは何を感じているのか、これから何を変え、何を大事にしていくのか。現場のトップがメンバーと話し合い、事業の魅力を言語化し高めることを諦めないでほしいです。

 ある会社様をご支援させていただいていたときに、「さすがに工場に行きたい人はいない。本社に行きたい人ばかりだろう」という話が上がりましたが、当時その会社で本社人事をされていた方が「実は私は工場の人事をやっていたことがあって、めちゃくちゃ工場も魅力がありますよ」とおっしゃっていました。知らないで決めつけるのではなく、現場に行って確かめることで、全社に魅力を語れる状態にことは絶対にできるはずです。

——魅力を言語化することでメンバーの方は仕事のやりがいを再認識できますし、生き生きと働いていれば他部署の人から「あの部署は楽しいらしいぞ」「あの部署に異動するのも良さそう」と思われますね。

 はい。新卒採用で学生にやりがいを語ることが内省の機会になるのと同じで、部署内で魅力を話し合うだけでも大分変わると思います。

——ただ、異動したいという話は、上長などに「裏切り者」と思われることがないとはいえません。

 おっしゃるとおり、現場の上長からすると、ずっと面倒を見てきてやっと活躍できるようになった途端に他部署へ移られるのはつらいと思います。しかし、「やりたいことがある」と上長に言い出しづらい状態が続けば、最終的にその方は転職を選ばれてしまうのではないでしょうか。

 そうした感情的な部分をいきなりがらりと変えていくのは難しいですが、経営層や人事は「なぜ個人の希望を大事にするのか」というメッセージを強く打ち出していく必要があると感じています。同時に、公募で異動した方がどのような成果を上げ、組織に貢献しているかをデータ化して、どんどん社内に発信していくことも大切です。そうすることで、公募による異動の効果を全社観点から社内に説明できます。

——とはいえ、感情面はすぐには変わらないのではないでしょうか。

 そこでたとえば、社内から採った側は外部採用の人数キャップがマイナス1になり、採られた側は外部採用や社内採用をプラス1でき、採用のサポートも受けられるといったルールを設けることを提案したりしています。さらにそのうえで、会社は「良い部下を育てたこと、その方が異動後も活躍していることを誇りましょう」という考え方をデータとともに発信していきます。これを5年続けて意識改革を目指していくというやり方は、ご支援する各社様とよく会話していることです。

 経営層と人事は社内の人材流動性を高めたいが、事業部のトップが反対する構図もよくあります。だからこそ、「どういう会社にしたいか」という経営層の強い意思が必要だと感じています。

 社員の意思で異動することへのマイナスの感情がなくなってくれば、社員とポジションが勝手にマッチしていきます。挑戦したい本人と、期待する受け入れ側がマッチする件数が十分増えたら、通常の人事異動はほぼいらなくなるかもしれません。完全にゼロになるわけではありませんが、「本当に重要なところだけ人事異動が関わる」という状態を経営層が目指すことが不可欠です。実現されれば、社員も現場も幸せです。

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スカウトは「気になる」といってくれた社員限定に

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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