営業代行や営業コンサルティングを展開し、事業成長を続ける株式会社セレブリックス。同社は事業拡大に向けて採用活動を強化しており、未経験から営業のプロフェッショナルを育成する独自のモデルを築いている。しかし、採用規模の拡大に伴い「内定承諾率の停滞」や「面接官による評価のばらつき」に直面。採用人事が面接の内容を把握しきれないことも課題となっていた。そんな中、同社の中途採用を牽引する田中幹大氏は、現場とワンチームで採用を推進するための地道な取り組みを行い、株式会社リブセンスが開発・提供するオンライン面接支援ツール「batonn(バトン)」を導入して課題の解決に挑んだ。「採用は事業成長のエンジン」と語る田中氏に、その挑戦の裏側を詳しく聞いた。
採用の重点はスキルよりスタンス
——まず、セレブリックスの事業内容を教えてください。
当社は営業代行・営業支援の事業を中心に成長してきた企業です。これを軸に昨年、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を新しくし、ビジネスモデルの変革を打ち出しました。具体的には、従来のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)から、「BPX(ビジネスプロセストランスフォーメーション)」への転換です。営業業務の代行にとどまらず、お客様の営業戦略や営業組織全体のリエンジニアリングまで入り込み、ビジネスプロセスの変革を推進するという方針です。
田中 幹大(たなか みきひろ)氏
株式会社セレブリックス コーポレート本部 人事統括ドメイン リクルーティング室 中途採用グループ マネージャー
大学時代から複数のベンチャー企業で、営業・マーケティング・事業開発などを経験。セレブリックスには2023年1月に入社し、以後一貫して中途採用を担当。営業職を中心とした採用活動の採用戦略立案から、母集団形成、面接・面談、オファー対応などを担う。2025年10月からマネージャーとなり、現在は採用組織のマネジメント、採用企画、ミドル~ハイレイヤーのリクルーターと、精力的に採用活動を推進。
——現在、主にどのような人材を採用されているのでしょうか。
25歳前後を中心とした「第2新卒層」が多いですね。採用ではスキルよりも「スタンス」を重視しています。営業のスキルやテクニックは、入社後からでも十分に身に付けることができます。そのため、選考では「なぜ営業をやりたいのか」という営業に対する覚悟や思いを深く聞いています。
また、昨年のMVVの刷新でリニューアルされた「セレブリックスマインド(CX Mind)」という7つの行動指針があります。これまでのセレブリックスが大切にしてきた価値観やスタンスを共通言語化し、顧客やチームメンバー/組織、コトに対しての向き合い方や在り方について掲げたものです。これに共感し、体現できる方であるかどうかも、ポイントとして見ています。
定量的な目標としては、年間数百名規模の採用を目指しています。現在、人事の採用チームは13名体制で、面談や母集団形成など、面接以外の業務を担っています。面接は事業部(現場)のメンバーが面接官となって行っています。
アトラクトにこだわり、面接を徹底的に「型化」

——そうした人材を採用・選考するプロセスにおいて、特に課題となっていた点は何でしょうか。
当社の基本的な選考フローは、書類選考の後、現場のプロジェクトリーダーやマネージャーによる1次面接と、リクルーターによる面談、事業部長やゼネラルマネージャーによる最終面接を経て、内定という流れになっています。その中で、大きく2つの課題がありました。
1つは、内定承諾率です。決して低い水準ではなかったのですが、事業成長の目標から逆算すると、さらに引き上げる必要がありました。承諾における主なネックは、候補者の現職や他社と比較した際の年収、そして「入社後何をやるか分からない」といった、当社の業務支援事業という特性による不安からくるものでした。
営業代行事業では常時約100件のプロジェクトが稼働しており、入社後の初期研修期間中にアサインされるプロジェクトが決まる仕組みのため、入社時点ではフィールドセールスかインサイドセールスかといった職種や、配属されるプロジェクトの業種も不透明なのです。
また、もう1つの課題は、面接官ごとのばらつきがあったことです。特にBtoBセールスの営業代行事業を行う部署は、採用目標数百人の半数を占めており、1次面接だけでも月100件を超えます。面接官も数十人規模になり、面接官ごとの評価のばらつきが拡大していることが問題だと感じていました。
当社では、候補者の懸念を払拭し、入社意向を上げるためのフォローとして、リクルーターによる面談(リクルーター面談)を最終面接の前に行っています。しかし、ここでもキャリブレーション不足によって、1次面接官からリクルーターへの引き継ぎ内容に大きなばらつきがありました。採用人事が1次面接官にヒアリングに行っても、ログが残っていなかったり、面接官の記憶が曖昧だったりと、1次面接の実態がつかめない状況が続いていたのです。
——こうした課題の解決に向け、どのようなアクションをとられたのでしょうか。
内定承諾率を上げるにあたっては、選考の早い段階でのアトラクトが重要になります。選考の後半になってから入社意向を高くする・逆転することは非常に難しいためです。
そのためにまず取り組んだのが、採用面接のやり方を徹底的に「型化」することです。そもそも、セレブリックスの事業におけるコアは「お客様の営業スタイルを型化して再現性を高めること」。これを採用面接にも応用し、「アトラクトとは何か」の定義付けから行いました。
よくある勘違いとして、アトラクトとは候補者の良いところを見つけ、褒めることだと捉えられる場合があります。しかし、私たちが定義する正しいアトラクトは、候補者のWill(意思)や課題を引き出し、セレブリックスの提供価値とひも付けることです。たとえば、「あなたのその課題は、セレブリックスならこう解決できますよ」「あなたの強みは、セレブリックスだとこう評価されますよ」といった具合です。
さらに、面接の最中のアトラクトのチャンスも言語化しました。「この質問にこういう回答が返ってきた場合、こういったアトラクトにつなげられる」といったパターンを具体化したのです。当社には人の成長や可能性に期待する「フィードバック文化」があるので、面接中に候補者にフィードバックをするのもアトラクトの方法の1つとして定義しました。
こうして「型化」した面接を現場の面接官が実践できるように、採用人事が候補者役となってロールプレイングも実施しています。現場のメンバーも、業務においては「型」に基づいた営業ができているので、言語化とロールプレイングによって面接でも実践できるように支援しています。
現在、現場に渡している面接マニュアルはスライド約100枚に及びます。アトラクトの部分だけでも5〜10枚ほど割いており、面接官としてデビューするまでには1ヵ月ほどのトレーニング期間を設けています。
採用は事業成長のエンジンであり、適切な採用ができなければ事業が伸びることはありません。一緒に事業を伸ばすという目的に向かって、現場にも前向きに協力してもらっています。
採用に向かって現場と採用人事をワンチームにするツール「batonn」

——そうした課題解決に向けた取り組みを進めるうえで、困難などはありませんでしたか。
実は、こうした面接の型化や現場の面接官との連携は、当時私ともう1人の採用担当者のたった2人で行っていました。しかし、2人だけですべての面接プロセスをウォッチし、適切なアトラクトができているか確認したり、都度フィードバックしたりするのは現実的ではありません。
「1次面接の段階で本当にアトラクトができているのか?」「より良い問いを全員が投げかけているか?」「回答に対する解釈がずれていないか?」といった重要なポイントを把握したいのにもかかわらず、面接の中身がブラックボックス化してしまっていました。
そんな折、リブセンスの社員の方と知り合う機会があり、オンライン面接に特化した自動録画ツール「batonn[1]」の存在を知りました。これは私たちの課題解決に役立つのではないかと感じて導入することにしました。
注
[1]: リブセンスが開発・提供(batonnの公式サイト)。録画に対し、生成AI技術を用いて、企業が面接で重視する観点ごとに候補者の見極めポイントを抽出し、要約する機能や、面接官が直感的に書いた簡易なコメントをもとにAIが申し送り文章を生成し、提案する機能なども備える。
——batonnはどのように運用されているのでしょう?
具体的な運用フローとしては、面接官がbatonn上で1次面接を行い、面接後の申し送りをAIの自動生成を活用して作成します。その内容を採用人事がATS(採用管理システム)に記載し、リクルーター面談や最終面接へと引き継ぐようにしています。
また、batonnには高い精度で面接の「重要と思われる部分」をハイライトする機能があります。この機能のおかげで、たった2人の採用担当者でも月100件行われる1次面接の「適切なアトラクトができているか」「面接の型が実践できているか」といった要点を、素早く把握できるようになりました。この機能なしでは、現在の面接の質を担保するのは難しかったと思います。
さらに、面接官になりたてのメンバーの面接をbatonnでモニタリングしてフィードバックを行ったり、batonnのアンケート機能で候補者からの評価が低かった面接を確認し、選考体験の向上に役立てたりしています。
——振り返りも含めて活用しているのですね。
はい。これまでは採用人事から現場の面接官にフィードバックする際、どうしても主観的なアドバイスになってしまっていました。batonnによって実際の面接動画の特定シーンを共有できるようになったことで、「この面接の何分何秒に行った質問は、もう1段階深掘りできたと思います」といった、具体性のあるフィードバックが可能になりました。
現場で業務を行っている面接官に対して、採用人事から改善のフィードバックをすることは、実は精神的な負荷が大きいものです。batonnという客観的なツールがよりどころになってくれることで、採用人事メンバーの精神的な負荷も軽減されました。
その結果、現場と採用人事が対立することなく採用の目標に向かって「ワンチーム」になっていると実感しています。
また非常にポジティブな変化として、現場の面接官側から「この方の選考で少し悩んでいるので、合否を決める前に一度(動画を)見てほしい」という相談が採用人事に来るようになりました。面接官自身が自分の面接動画を見返して振り返りを行う様子も見られ、現場の「面接意識」が向上していると感じます。
「何者でもない人が、何かのプロや本物になれる」企業であり続ける
——batonnの導入にあたって、良かった点と、今後期待したい点を教えてください。
無料のお試し期間があり、従量課金制のbatonnは「始めやすかった」です。当社のビジネスモデル上、1人の入社に対して創出される売上や粗利がある程度計算できるため、販管費予算に対する視点はシビアにならざるを得ません。さらに時期によって面接件数が大きく変動する当社にとって、batonnの料金体系はたいへんありがたいものでした。
また、UI/UXがシンプルな画面構成で、メンバーが迷わず操作できた点も助かりました。1つのURLでbatonnのシステムに入ることができ、面接から引き継ぎ、振り返りまで完結するというシンプルさによって運用が定着しました。人材紹介会社様にツールの切り替えをお伝えする際もスムーズでした。
今後batonnに期待したい点としては、「採用ツールのプラットフォーム化」ですね。現在、採用領域のツールはATSや適性検査、面接ツールなど多岐にわたっており、管理が煩雑です。AIを活用すれば一本化できる可能性はありますが、扱う情報が極めて機密性の高い領域なのでハードルが高いのが現状です。一括で管理できて、セキュリティ面でも安心できるワンプラットフォームとしての進化にも期待しています。
——最後に、御社の今後の採用の展望についてお聞かせください。
繰り返しになりますが、採用は当社の成長エンジンです。未経験でポテンシャルのある方を採用し、いかに早くプロの営業として活躍していただくか。これは今後も当社の競争優位性の根幹であり、この軸がぶれることはありません。
当社の採用を一言で表すと「何者でもない人が、◯◯のプロになる」というメッセージになります。実際に、現在当社の役員を務めるメンバーも、最初は特別な肩書を持たない「何者でもなかった人」たちです。19歳で入社したメンバーが、20歳で新人賞をとるほど急成長するといったケースもあります。
このように当社には、何者でもなかった人がプロフェッショナルとして実力を付け、誰かのために貢献できるという環境があります。
これまでのポテンシャル採用という強みは継続しつつ、今後は事業変革に伴い、経験者採用の領域もさらに広げていきます。未経験育成と経験者採用の両輪で「採用に強い会社」としてさらに高みを目指して頑張っていきたいと思います。

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提供:株式会社リブセンス
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