内定獲得状況は94.7%で、前年比+1.0ポイントとなった。
内定獲得者に就職活動は楽だったかと尋ねたところ、「楽だった(13.2%)」「どちらかと言えば楽だった(32.8%)」を合わせると、46.0%が、「楽だった派」と言える。その内訳をさらに見ると、入社予定企業の規模が大きい学生、費用負担が少なかった学生で「楽だった派」の割合が高い傾向にあるという。その一方で「大変だった(22.2%)」「どちらかと言えば大変だった(31.8%)」の「大変だった派」は5割(54%)を超えており、楽だった派は前年より増えたものの、大変だった派は変わらず半数以上を占めていることがわかる。
また、社会人になることをどう感じているかと聞いたところ、「楽しみ(20.5%)」「どちらかと言えば楽しみ(39.5%)」と、6割の学生が楽しみに感じている。属性別に見ると、内定獲得状況において「内定なし」の学生は、「楽しみではない(52.9%)」と半数を超えており、まだ社会人への期待を持てる心境ではないようだ。また、入社予定企業の従業員規模別に見ると、「3000人以上」の企業に入社予定の学生は、「楽しみ」と「どちらかと言えば楽しみ」を合わせた「楽しみ派」の割合が7割弱(66.9%)と、他よりも高くなっていた。
さらに、「入社予定企業に対する満足度」との関係を見ていくと、入社予定企業に満足しているほど、「楽しみ派」の割合が高い。また、「就職活動は楽だったか」との関係を見ると、「楽だった」と感じている学生ほど「楽しみ派」の割合が高くなっていることがわかった。
この調査結果について、アイデム 人と仕事研究所 所長の岸川 宏氏は、「2018年卒学生の就職活動は、内定獲得率、内定獲得社数とも前年を上回り、さらに売り手市場感が強くなった年となった。就職活動に対する学生の印象も、内定獲得先企業に対する満足度では8割以上が“満足”、活動の大変さについては楽だった派が46.0%と、全体的に好感触だったことがうかがえる」と語る。その一方で「大企業からの内定を獲得した学生は満足度が高く、かつ楽だった派が7割を超えていたが、中小企業の内定獲得者は、大変だった派が6割を超えていた」(岸川氏)と、内定先の企業規模が学生の心情に影響を与えている可能性を示唆している。