「副業実態・意識調査結果【企業編】」は、副業に関する個人や企業の実態把握を行い、企業がとるべきアクションを明らかにすることを目的に、2018年10月26日~30日の期間に実施され、1641名の人事担当者より回答を得ている。
副業の許可状況としては、副業を認めている企業(条件付き許可含む)は50.0%、全面的に禁止している企業が50.0%だった。なお、全面的に許可している企業も13.9%存在している。
副業を許可し始めた時期は3年以内が52%で、うち1年以内が22.8%だった。
副業を許可することでプラスの効果を感じている企業は、人材採用で45.9%、離職防止で50.9%、モチベーション向上で50.3%、スキル向上で49.7%、社外人脈拡大で52.2%となっている。
副業を行っている社員に対する調査の結果、副業を条件付きで許可している企業と、全面許可の企業を比較すると、全面許可の企業のほうが会社へのロイヤリティ、本業のパフォーマンスが高まることが明らかになった。一方で、過重労働やトラブル発生など、副業に伴うリスクも存在することから、まずは条件付きでの許可から始めるべきと考えられる。
副業の労働時間や働き方などの把握といった、本業によるフォロー体制は、モチベーションやロイヤリティの向上に効果がある。
副業許可の主導は、従業員が1000名以上の場合は人事部門であることがもっとも多く(61.7%)、100名未満は経営・役員陣が最多(43.8%)だった。
副業を全面的に禁止している企業の70.9%は、今後も禁止を継続すると回答しており、その理由としては、過重労働につながるから(49.2%)がもっとも多い。
企業規模が大きくなるほど、副業の全面禁止の割合が高くなる傾向にあるが、従業員1000~1万名未満では全面禁止が59.2%、企業規模1万名以上で54.5%と下がる。また、設立年数が長い企業ほど、副業の全面禁止の割合が増える傾向にあることが明らかになった。