企業の人事担当者における「オヤカク」のワード認知度が59.5%で、「内容まで知っていた」は36.6%と、前回調査と比較して7.6ポイント増加した。企業規模別の認知率としては、300名未満が51.4%、300~1000名未満が56.3%、1000名以上が70.9%と、企業規模が大きくなるほど高くなっている。
企業がオヤカクを行うタイミングとしては、「内定時・内定後」(47.6%)がもっとも多く、「選考前」(34.0%)、「選考中」(33.0%)がそれに続く。
前年調査と比較すると、各フェーズで「実際に行っている施策はない」と回答した企業が数ポイント~10ポイント超減少しており、企業が親に対し施策を実施する割合が高まっている。
具体的な施策としては、「選考前」では「企業情報資料の送付」「親向けの採用情報ページの作成」、「選考中」では「企業情報資料の送付」に加えて「企業製品の親への送付」「企業情報ムービーの配布」、「内定時・内定後」では「親向けの内定理由通知書の送付」「親向けの内定同意書の用意」を行う企業が増加した。
企業規模別では、規模が大きいほど内定者の親向けに手厚い対応を行う傾向にある。
親が望む「オヤカク」施策を尋ねたところ、「企業情報資料の送付」「親向けの内定理由通知書」「親向けの内定同意書」の順で多く、前年との比較では「内定承諾にあたり、企業からの対応は特に必要ない」と回答する親・企業が増えた。一方で、オヤカク各施策を「必要だ」と考える企業は、11項目中8項目で前年調査を上回り、親を対象とした施策への関心が高まっている。
子どもの就職活動にあたって、資金的な援助を行ったことのある親は32.4%で、支援金の平均は8万4055円と、前回調査よりも3万4198円減少した。前年調査との比較では、5万円未満が10.1ポイント上昇し、10万円以上が14.5ポイント減少している。また、エリア別では書と県が5万9717円、東海エリアが8万3077円、関西エリアが10万4373円と、関西エリアがもっとも高額だった。
子どもに対するアドバイスの頻度は、「週に1回程度」(17.5%)がもっとも多く、前年調査と比較して相談頻度は減少傾向ながら、「週に1回以上」は前年調査よりも1.3ポイント上昇している。
父母別では、母への相談頻度が高く、「週に1回程度」は母親が52.1%、父親が27.8%だった。ただし、「相談する」の合計では父母の差は6.8ポイントだったことから、父母がそれぞれ相談に乗っていることがうかがえる。
アドバイスの内容としては、「どのような業界・業種をうけていくかについて」(59.9%)がもっとも多く、以下「キャリアプランについて」(52.5%)、「最終的な就職先の決定について」(32.8%)が続く。父母別では「キャリアプランについて(仕事について)」を除くすべての項目において、母が父を上回った。
子どもの就職活動に対する親の考え方として、あてはまるものを選んでもらった設問において、それぞれの項目に「あてはまる」「ややあてはまる」という回答がもっとも多かったのは、「子供に就職してほしい企業とそうでない企業がある」(55.3%)で、「周りに流されず、自分だけで決めて欲しい」(53.6%)がそれに続く。
前年調査との比較では、「名前だけで企業を判断してしまうことがある」の増加がもっとも大きく、「なかなか子離れできていない自分がいる」「地元に残ってもらいたいと伝えたことがある」も前年より増加している。
学生の就職活動に対する企業(人事担当者)の意識として、あてはまるものを選んでもらった設問において、それぞれの項目に「あてはまる」「ややあてはまる」という回答がもっとも多かったのは、「新卒生の親の関与が高まっている」(58.3%)で、「親の意向によって内定辞退を申し出てきたことがある」(47.9%)がそれに続く。
前年調査との比較では、「就職に対する関与度の高い親をもつ学生の採用を見送る事がある」「親を説得するための相談を学生から受けた」が増加し、その他は微減だった。