ストレージやデータ管理ソリューションの大手企業であるネットアップ合同会社。同社は、3つの軸でエンジニアの評価を行っているという。ただ、ITエンジニアの評価は多くの企業で頭を悩ませている課題でもある。ネットアップではどのようにこの課題に答えを出しているのか。同社 ソリューション技術本部 SE第4部 部長の中川拓也氏に話を聞いた。
評価制度を支える3つの軸
――最初に、中川さんがマネジメントをしているSE第4部の業務内容を簡単に教えてください。
名古屋以西のお客様に対するプリセールスSEという形です。大企業や公共系、社会インフラ系のお客様を担当しています。
2012年、ネットアップに入社。主に名古屋以西エリアの大企業、社会インフラ、公共団体向けに対するネットアップ製品のプリセールス全般に携わるとともに、西日本エリアのプレセールスSE部門マネージャーとしてソリューション技術本部 SE第4部をリードしている。日々、自身の技術力・マネジメント力向上に尽力し、現在はチームと共に最先端技術のプロジェクトを牽引している。
――SE第4部ではメンバーの評価をどのような基準で行っていますか。
本部の単位である程度、評価の項目を決めています。その上で、立場や担当ごとに各マネージャーの判断でプラスアルファするイメージです。
――軸になる評価基準があるのですね。
大きく分けて3つの評価軸があります。1点目が「プランを作る力」です。お客様に対しても製品に対しても、仕事を進めていくためにはきちんと戦略を立て、それをプランとして実行していくことが必要です。私たちはコントリビューションと呼んでいるのですが、プランを作り成果に結びつける力が1つ目の軸になります。
2点目がいわゆる「技術力」です。物事を知っているというテクニカルスキルも大切ですが、お客様の置かれている状況に応じて対応の仕方が変わりますので、その対応力を2つ目の軸としています。
3点目は「リーダーシップ」です。案件に対して自ら進んで取り組んでいく姿勢や、人を巻き込んで進めていくマインドをリーダーシップと定義しています。
さらに、これら3つの大項目にはそれぞれ2つずつの小項目が設けられています。この小項目ごとに採点を行い、評価のベースにしています。
――誰がどういったプロセスで採点していくのですか。
私のようなマネージャーがメンバーごとに採点していきます。それから、採点結果を各マネージャーが持ち寄って互いに客観的かつ相対的に見て、マネージャー間で話し合いながら採点を調整します。人によっては甘かったり辛かったりするので、調整が必要なのです。
――3つの軸それぞれについて、どのように評価を行っているかをうかがいます。まず、プランを作る力に関してはどのように評価を?
少なくとも2週間に1回は実施してる1on1で、仕事の状況や成果などを確認しています。また、重要なフェーズではお客様のところに同行したりして、メンバーの行動や考え方を見ています。
ただ、私の部署は人数も多くないので、評価項目1つ1つについて数字で採点するよりも、普段接している感触に基づいて(総合的に)評価するほうが人間味があってよいと思っています。東京のほうはメンバーの数もお客様の数も多く、工夫しているところかと思いますが、名古屋から西(SE第4部の担当エリア)ではそういう形でやっています。私たちが手がけている機器やシステム、ソリューションの導入は、結局人対人の仕事ですので、デジタルよりはアナログ的なほうが最終的に見比べていくと正しいような気がしています。
――つまり、お客様の反応を評価の上でも重視する。
そうですね。私たちの仕事はお客様が中心なので、お客様に喜んでもらったり、お客様に「あなたの言うことだったらそのとおりにするよ」と言ってもらえたりするのが一番のゴールだと思っています。そういうふうにお客様との関係ができていることが高評価につながります。そのために、お客様と深く関わる大きな案件と、技術的なQ&Aで対応する小さな案件とのバランスを考えながら、お客様に喜んでもらえるほうに時間を使うようにとメンバーには言っています。
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市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)
1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学習書と開発者向け...
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八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)
都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとしての一面も。
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