「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」は、全国の20歳~59歳の有職男女(起業した人や経営者、自営業者などを除く)1000名を対象に、5月8日~9日に実施された。
調査対象者に、職場でハラスメントを受けたことがあるかを尋ねたところ、37.5%がハラスメントを受けたことがあると回答した。
職場でハラスメントを受けたことがある人(375名)に対して、どのような行為を受けたかを尋ねた質問では、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」が41.1%、「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害などの過大な要求」が25.9%、「私的なことに過度に立ち入ることなどの個の侵害」が22.7%となっている。また、「セクシュアル・ハラスメント」は26.7%だった。
男女別では、「暴行・傷害などの身体的な攻撃」が男性17.0%、女性5.0%、「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害などの過大な要求」が男性30.7%、女性21.6%、「私的なことに過度に立ち入ることなどの個の侵害」が男性18.2%、女性26.6%、「セクシュアル・ハラスメント」が男性14.2%、女性37.7%となっている。
行為者ごとに各ハラスメントの発生割合としては、上司からのハラスメントでは「精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃)」(21.7%)が最多で、同僚からのハラスメントでは「人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視などの人間関係からの切り離し)」(19.4%)が最も多かった。
取引先からのハラスメントは「セクシュアル・ハラスメント」(28.1%)、顧客(消費者)からのハラスメントは「精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃)」(23.3%)が最多となっている。
職場でハラスメントを受けたことがある人(375名)に、ハラスメントを受けたときに誰かに相談したかを尋ねたところ、「相談した」は56.0%、「誰にも相談しなかった」は44.0%だった。
職場でハラスメントを受けた際に相談した相手としては、「職場の上司・先輩」(23.7%)が最も多く、「職場の同僚」(18.1%)、「家族」(13.1%)がそれに続く。また、職場の相談窓口」(2.7%)や「労働組合」(2.4%)、「労働局(都道府県労働局)」(2.1%)といった回答も見られた。
一方、職場でハラスメントを受けた際に「誰にも相談しなかった」と回答した人(165名)に、その理由を尋ねた質問では、「相談しても無駄だと思ったから」(67.3%)が最多で、以下「相談するとまた不快な思いをすると思ったから」(20.6%)と「誰に相談してよいのかわからなかったから」(17.0%)が続く。
職場でハラスメントを受けたことがある人(375名)に対して、ハラスメントを受けたことでどのような生活上の変化があったかを尋ねたところ、「仕事のやる気がなくなった」(53.6%)が最も多く、次いで「心身に不調をきたした」(22.4%)、「仕事をやめた・変えた」(18.9%)が上位となった。
就職活動を行った人(835名)に、就職活動中にセクシュアル・ハラスメントを受けたことがあるかを尋ねた質問では、「受けたことがある」と回答した割合は10.5%、「受けたことはない」と回答した割合はは89.5%となっており、男女・世代別では20歳男性(21.1%)が最も高い。
就職活動中にセクシュアル・ハラスメントを受けたことがある人(88名)に、その内容を尋ねたところ、「性的な冗談やからかい」(39.8%)が最も多く、「性的な事実関係(性体験など)の質問」(23.9%)、「食事やデートへの執拗な誘い」(20.5%)がそれに続く。
就職活動中にセクシャル・ハラスメントを行った相手としては、「性的な冗談やからかい」では「人事担当者」(35名中12名)という回答が目立った。また、「食事やデートへの執拗な誘い」や「性的な関係の強要」については「OB・OG」から受けたという回答が多い。
セクシュアル・ハラスメントを受けたことでどのような生活上の変化があったかを尋ねたところ、「就職活動のやる気がなくなった」(37.5%)が最多で、「就職活動を短期間休んだ」「就職活動を長期間休んだ」「人と会うのが怖くなった」(いずれも13.6%)がそれに続いた。