キャリア相談は健康診断を受けに行く感覚で
――まずは島村さんの日ごろのお仕事内容を教えてください。
キャリアの相談を受ける業務や、研修の企画・講師、あとは異動の希望があれば関連部署と連携を取りながら調整もしていきますし、産休や病欠などで休職された方たちに対する支援も行っています。
――キャリア相談に乗るだけかと思っていましたが、はるかに幅広いですね。
はい。企業内のキャリアコンサルタントは、相談しに来る方に対して支援するだけでなく、普通に働いている方のモチベーション維持・促進に向けた働きかけも重要な役割なんです。
――それにしても、人事異動にキャリアコンサルタントの方が関わっているというのは初耳です。
「10年間同じプロジェクトでインフラ周りをやってきたけれど、キャリアの幅を広げるためにシステム開発もやってみたい。直属の上司にもその気持ちは伝えているけれど、なかなか他に行かせてもらえない」といった相談もありますね。お客様と仕事の関係が長いと異動が難しいですし、管理職には「優秀な人は他へ出したくない」という思惑がありますから。そんなときは私たちが間に入って、ご本人の話を聞いた上で、異動元や異動先の管理職の方とも話をして、異動に向けた手順に入っていきます。
ご本人が異動希望を出したときにも、私たちが面談をして、どれくらい本気で考えているのかをお聞きしています。すると「リーダーが変わるのが不安だから異動したい」といった曖昧な理由だったりもする。そんなときには「スキルの幅を広げることもできるので、次のプロジェクトでもう1回がんばってみてはどうですか」とお伝えすることもあります。
――正しいキャリアの選択ができているのかも含めて相談に乗られるんですね。
そうです。管理職の方から「この人がちょっと悩んでいるみたいだから、話を聞いてあげてほしい」という相談をいただくこともあります。「本人が本気で異動を望んでいるなら応援するから、得意な分野を引き出して異動先を見つけてもらえないか」と。
端的に、「部下のこういう悩みを解決するには、どうしたらいいか」という相談もありますね。キャリア支援室ができてから12年になりますので、みなさん安心してご利用いただけていると思います。