同調査は9月4日~10月3日に実施され、1349社(上場:109社、非上場:1240社)から回答を得ている。
「採用充足率」(内定者数÷募集人数)は、前年を4.0%下回る80.4%となった。2017年卒から右肩下がりとなっており、企業側の厳しい状況が続く。業種別に見ると、「金融(99.8%)」の採用充足率が最も高く、「小売(71.9%)」が前年比10.2ポイント減と特に低い結果だった。
また、「2020年卒募集人数÷2019年卒入社実績数」で前年の入社実績に対する2020年卒募集人数の割合を計算すると、全体で2019年卒入社実績よりも19.0%増で募集人数を設定していることが判明。採用充足率は減少しているが、2019年卒の入社実績と2020年卒の内定者数を比較すると、ほぼ同等数(3.2%減)は確保できている結果となった。
2020年卒に「外国人留学生を採用した(する予定)+採用活動はしたが、採用できなかった」と回答した企業は15.2%。そのうち上場企業は37.0%、非上場企業は13.2%だった。依然として、企業側の外国人を受け入れる環境整備や採用手続きが課題となっている模様だ。
また、次年度(2021年卒採用)に外国人留学生の採用を予定している企業は、「採用する予定」と「検討中」で36.3%。特に上場企業は「採用する予定」と「検討中」あわせて56.1%となり、企業の半数以上が採用数を増やすことを検討していることから、マイナビでは、課題はありながらも外国人留学生の採用意欲が高まっていることがうかがえると述べている。
20年卒採用スケジュールの実績と、21年卒採用スケジュールの予定を比較すると、インターンシップの開始時期は20年卒、21年卒ともに「8月」の割合が高く、夏からの実施傾向も変わらない。一方、21年卒活動予定スケジュールで「面接」開始時期が、20年卒と比べて「3月」と回答する割合が高い(21年卒:43.2%、20年卒:36.1%)ことから、マイナビは「内々定出し」も昨年より早まり「4月」がピークとなりそうだと分析する。
なお、2020年7月から開催予定の、東京オリンピック・パラリンピックの影響もあり、イベント会場や移動手段や宿泊施設の確保が通常より困難となることが予想される。マイナビでは、2021年卒の企業説明会・採用選考スケジュールは、企業・学生ともに慎重に情報開示・情報収集していくことが重要だと訴えている。