同調査は2020年3月26日~3月30日に実施。企業113社、転職サービス登録者:1275名から回答を得ている。なお、回答した企業の65%が外資系、35%が日系の企業。また、回答した転職サービス登録者の46%が外資系企業社員、54%が日系企業社員となっている。
調査結果の概要は以下のとおり。結果の詳細は、同社のWebページを参照のこと。
1.企業(人事・採用担当者)
■中途採用比率、外資系企業は「90%以上」、日系企業は「50~69%」が最多
■15%が「中途採用比率の公表義務化」は企業にメリットがあると回答
メリットがある理由、外資系企業「求職者が転職先を探す際の公平な情報提供の場となる」、日系企業「求職者の応募を集めやすくなる」が最多
■求職者に「メリットがある」と回答した企業は4割強
メリットと感じる点の第1位は「転職の際に企業の体質を比較しやすくなる」
■「中途採用比率の公表義務化」導入を不安と回答したのは、外資系企業 30%、日系企業 17%
不安に思うこと第1位は「情報開示のためのデータ整理や公開作業の手間」
2.転職サービス登録者
■「中途採用比率の公表義務化」転職サービス登録者の認知度は、外資系企業社員8%、日系企業社員10%
■最も興味があるのは「年代別」の中途採用比率
■求職者に「メリットがある」と回答した転職サービス登録者は約5割
メリットと感じる点、第1位は「転職の際に企業の体質を比較しやすくなる」
■「中途採用比率」が最も役に立ちそうな場面は「転職活動で応募する企業を選ぶ時」
■「中途採用比率の公表義務化に期待すること」は『人材の流動活性化・採用機会の増加』
『転職のイメージ向上』『企業の情報公開の透明性』 『実力主義への移行』などが多数
そのほか自由形式の回答として、「中途採用比率の公表義務化」に期待すること」(自由回答形式)を外資系企業社員・日系企業社員に聞いている。
なお、エンワールド・ジャパン 人材紹介事業部 部長 クリス小林氏は、今回の調査結果について次のように解説している。
「日本の終身雇用制度は、近年大きく揺らぎ始めています。外資系企業では従来より成果主義の文化が根強いため、年齢や転職回数で判断されることが少なく、能力のある人がそれを活かせる環境で働くというモデルが成り立っています。この様な文化的背景の違いから、現在外資系企業の中途採用比率が日系企業より高いのは必然です。
日本は今ようやく、海外企業の採用に追いつくための動きを取り始めたと言えると思います。この変革に追いつけばグローバル企業との人材獲得競争力が増し、後れを取ると人材確保に苦戦、企業の競争力低下につながる可能性も考えられます。転職者にとっても、スキルや経験がより重視されるようにるため、より明確な強みを持つことが転職を有利にし、仕事人生を成功させるための鍵になると言えます」(小林氏)