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社内コーチ スタートガイド | 第2回

チームコーチングの進め方と社内コーチが果たす役割、成果を明らかにする方法


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 Sansan 社内コーチの三橋です。本連載ではマネジメントに課題を感じているマネージャーや人事の方に向け、私の経験を踏まえて社内コーチの可能性や実務を解説していきます。第1回では、私が社内コーチを始めたきっかけや企業に社内コーチが必要な理由についてお話ししました。今回は、チームコーチングの流れと社内コーチが果たす役割、チームコーチングの成果をどのように明らかにするのかについて、私が実践し有効であったものをお伝えします。

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社内コーチはチームの課題をどう解決していくか

 コロナ禍において、リモートワークの割合が増えメンバー間のコミュニケーション量が減ったことにより、社内コーチの果たす役割が注目されています。私が社内コーチとしてマネージャーから受けるチームに関する相談も、切迫感がさらに強まっています。

 私が弊社のマネージャーから受けた主な相談は次のようなものです。

  • 期が変わり、新たなチームとなったためチームビルディングをしたい
  • チームの目的やビジョンについて目線を合わせたい
  • インサイドセールスと営業とカスタマーサクセスの連携を強化したい
  • チームメンバーとリーダーの間で対立があり仲裁してもらいたい
  • チームメンバーのモチベーションを上げたい
  • チームメンバーの主体性を引き出したい
  • チームメンバーの成長課題が分からず、一度話を聞いてもらいたい

 いかがでしょうか。きっと1つか2つは同じような悩みがあるのではないかと思います。そして、チームに関する課題については解決手法が浮かばなかったり、解決には時間がかかったりするように想像されるのではないかと推察します。

 社内コーチは、こうしたマネージャーが抱えるチームの課題を、チームコーチングにより解決に向かわせます。マネージャーから相談を受けた後、社内コーチはチームコーチングを次のように進めていきます。

チームコーチングの流れ
  1. チームの課題の設定
    • 現状把握(必要に応じてチームメンバーへアンケート実施)
    • 期待成果の確認(どのような状態を目指したいか)
  2. マネージャーとチームコーチングの企画・決定
  3. チームコーチングの実施(内容に応じて2~5時間程度)
  4. マネージャーと振り返り、次の行動の設計

 なお、相談のきっかけには、マネージャーとの対話の場で本人から聞く、他のマネージャーから情報を寄せられる、以前相談に乗ったマネージャーに再度相談される、などがあります。

コーチングをどのように学び育んだか

 社内コーチを始める上で、私自身がコーチングを学び実力を付けることが必要でした。まずはどのように学びを開始し、どのような障壁があったかについてお伝えします。

 コーチングを学ぶための機関には、前回お伝えした書籍『コーチング・バイブル(第3版)―本質的な変化を呼び起こすコミュニケーション[1]』を訳したCTIジャパンを選択しました。選択理由は、「まず根底に人生の目的があり、仕事は人生を豊かにする手段。人の可能性に焦点を当てることで、仕事も人生も充実する」という私の考えとCTIジャパンの考え方が近いと感じたためです。また、実践から学ぶ体験学習の形式で、国際コーチング連盟(ICF)の認定プログラム(ACTP)だったことも選択理由となりました。

 専門機関で学ぶためにかかる費用は少なくありません。会社の支援を受けてこのようなプログラムに参加される方もいらっしゃると思いますが、私にとっては身銭を切って選択したことが、最後まで学びをやり抜き社内で実践する覚悟につながりました

 ただ、社内コーチは、社内の誰もやったことのないことです。挑戦するに当たって、障壁がなかったわけではありません。はじめに感じたのは、自分の内側の壁でした。私は新たなことをゼロから始めた経験は多くありませんでしたし、当時は他者からの承認欲求が強くあったため、「新しいことを始めて嫌われたらどうしよう」という気持ちから、不安が生じていました。

 そこでまず、マインドセットを行いました。これについては次回お伝えしたいと思います。

 それから、社内コーチの前例がない中で目の前の社員やチームの成果に貢献するために、コーチングやファシリテーション、組織開発や心理学など数々のメディアの記事や本を読みあさりました。その上で私が大事にしていたことは、それらの知識や理論を学ぶだけではなく、それらを自らの言葉で語り、現場で使ってみることです。

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この記事の著者

三橋 新(ミツハシ アラタ)

Sansan株式会社 人事部 社内コーチ。2009年に29番目の社員としてSansanへ参加し、営業、経営管理(人事/総務/法務)、情報システムなど企業のアーリーステージにおける役割を担ってきた。200人を超える社員へのコーチング実践を通して、社内コーチという役割をゼロから立ち上げ制度化し今に至る。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/2707 2020/12/17 22:30

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