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新型コロナワクチンで改めて考える 企業の感染症対策はどうあるべきか

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2021/07/15 08:00

感染の隠蔽は経営リスクと考えるべし

――今後、従業員に安心して働いてもらうために、企業にはどのような対応が必要でしょうか。

 まず基本的には、新型コロナウイルスなどの感染症の陽性者が出たときには、従業員に対して、時には周辺に対して公表する必要があります。それと併せて、ワクチン接種状況などの感染症対策を提示して、安心できる環境にあるかどうかを示すことも求められるようになるでしょう。昨今では、感染状況をコーポレートサイトに出す会社がありますし、会社が入居しているビル内で報告される場合もあります。きちんと公表して対処することが、企業の信頼にもつながり、事業の持続性を担保すると考えています。むしろ、ネガティブな情報は隠蔽すればするほど、それが露呈したときの信頼失墜リスクが高まります。

 他にもルールを明確化するだけでなく、立てた目標が実践されているかどうか、指標となるデータを取得し分析していくことも重要だと思います。例えば、「アルコール消毒の徹底」といっても、任意に任せていては浸透しにくいものなので、アルコールがどれくらい減っているか、部門ごとに毎週モニタリングするなども有効だと思います。ITデバイスなどを活用することで簡便に行えますから。

 そうしたさまざまな施策について、来年以降についてはきちんと予算をとっておくことは必須ですね。1人あたり2070円のワクチン費用を確保することはもちろん、前述したように、新型コロナウイルスの変化によって施策を変える必要がありますし、ワクチンの状況も変わるでしょう。BCPに備えて働き方やオフィスを変えることも考えられます。いわば有事の施策を平時化し、次の有事に備える準備をすることが大切だと思います。

 正直言うと、ここまで新型コロナ感染症対策が、経営課題として大きくフォーカスされることになろうとは思いませんでした。しかし、これまで現場で判断されていた感染症対応が、組織全体の課題として認識されたことは、ある意味でよかったといえます。ぜひ、この機会を活かして、安心して仕事ができる環境づくりに取り組んでいただければと思います。

――機会としてポジティブに捉えて施策に取り組むことが大切ですね。本日はありがとうございました。



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著者プロフィール

  • 伊藤 真美(イトウ マミ)

    エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

  • 市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

    1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「IT人材ラボ」を立ち上げ。2020年8月に人事全領域にテーマを広げた「HRzine」をスタートさせた。

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2021/07/15 08:00 /article/detail/3358
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