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合格のためには戦略を立てよう

午前試験

 80問中48問以上の正解が必要です。逆にいえば、満点を取ってもあまり意味がありません。午後試験との合計点で合否が決まるわけではないのですから(まあ、満点が取れるほど学習すれば、午後試験も楽勝だとは思いますが)。

 そして、出題されるのは5~6割が過去問題からの流用です。だとすれば、過去問題を繰り返し解くことが午前突破の近道といっていいでしょう。過去問題はIPAのWebサイトから過去何回分でもダウンロードできますので、解きまくりましょう。

 あとは、本試験でのテクニックです。単純に割り算をすれば1 問あたり150分÷80問=約2分です。ただし、問題によって、30秒で解けるものも、5分程度かかるものもあります。一般的には計算問題や、アルゴリズムなどの思考問題は時間がかかります。逆に知識問題は、知っていれば即答できます。そして、計算や思考の問題は最初の方に出題されることが多いです。そこで時間を使ってしまい、しかも脳が疲労してしまって、後の問題が解けなくなってしまっては元も子もありません。午前はすべて同じ配点なのですから、こだわらずに、時間のかかる問題は後回しにするのも手です。

午後問題

 午後問題にはポイントが3つあります。

 第1のポイントは問題の選択です。当たり前ですが、基本的には得意なジャンルを選びます。ただし、できれば、過去問題1回分を全部解いてみることをお勧めします。それは、苦手だと思っていたジャンルが意外と易しいと感じられることがあるからです。例えば「システム監査」です。この業務に携わった経験のある受験生は少ないでしょう。若い方ならなおさらです。その場合は、最初から選択肢にはないかもしれません。でも解いてみたらあっけなく問題が解けてしまった、ということもままあります。まずはすべてのジャンルに一度チャレンジしてみましょう。

 第2のポイントは「解答をどうやって記述するか」です。記述式ではありますが、試験センターは解答を公表しています。つまり、解答は一意なのです。受験者の考えや意見が入る余地はありません。それでは解答がブレてしまうからです。逆の立場に立って、解答がただ一つになるような問題を作成するにはどうしたらいいか考えてみましょう。

  • 知識を問う(「○○は何か」の〇〇を言葉で書かせたり、SQLを書かせたりする)
  • 計算問題にする
  • 解答そのもの、もしくは解答のヒントを問題文にもぐりこませる

 「○文字以内で書け」という設問は、ほとんどが上記の3番目のパターンです。必ずヒントは問題本文中にありますので、それを探すという観点を持って問題文を読みましょう。

 第3のポイントは時間配分です。応用の午後試験は時間との戦いです。問題文が長文ですから「早く読む」「早く考える」「早く書く」ことが要求されます。国語の試験だと思って取り組んでください。これはトレーニングでしか鍛えられません。最良の練習問題は、やはり過去問題です。午前と異なり、同じ問題は出題されませんが、何問か解いてIPAの配布している解答と突き合わせていくうちに、「ははーん、こういう回答を要求しているわけね」というものが、必ず見えてくるはずです。

 皆さんの合格を心からお祈りしています。

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この記事の著者

城田 比佐子(シロタ ヒサコ)

お茶の水女子大学理学部卒。住友商事でシステムの企画を担当。その後、NEC教育部、駿台電子専門学校、(株)TACなどで情報処理教育に携わる。現在はフリーインストラクタとしてIT 全般における教育、コミュニケーション系の教育、書籍執筆、教材作成などに従事している。著書に『情報処理教科書 出るとこだけ! ITパスポート』(単著、翔泳社刊)、『3週間完全マスター 基本情報技術者』『同 応用情報技術者』『プログラミング未経験者のための基本情報技術者 午後 プログラム言語』(3冊とも共著、日経BP社刊)などがある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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