ERPとHCMが連動した「As is-To beギャップの定量的把握」
説明の壇上に立った、日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・エンジニアリング事業本部 HCMソリューション部 部長の矢部正光氏は、人的資本経営に向けた施策として、企業価値向上の観点から「As is-To beギャップの定量的把握」「従業員エンゲージメントの向上」「リスキリング・人材育成」の3つのポイントを挙げ、順に説明を始めた。
「As is-To beギャップの定量的把握」のAs is-To beギャップとは、事業に必要な人材についての需要と供給の差のことだ。これを定量的に把握するために、オラクルでは「Oracle Cloud ERP」による財務情報と「Oracle Cloud HCM」による人事情報=非財務情報を連動させ、現在足りている人員と不足している人員のギャップを可視化。そのうえで「各種シミュレーションを繰り返し行うことで、予算管理と連動した人事戦略の立案までを支援する」(矢部氏)という。
しかし、人事情報を定量的に把握すること自体ハードルが高い。そこで、定義済みのダッシュボードやKPIを用意した「Oracle Fusion HCM Analytics」をオラクルは提供している。KPIはリリースされた2021年当時、200項目ほどだったが、現在ではアップデートを経て600項目ほどになっており、今後も増やしていく予定だ。
また、本年3月期決算企業から、有価証券報告書での人的資本開示が開始される。矢部氏は「人的資本開示のためにどのようなKPIを使うか。その判断が競合他社との差別化につながっていく」とし、そのために同ツールが用意しているKPIが役立つのではないかとアピールした。