リクルートマネジメントソリューションズは、従業員数300名以上の企業で働く経営者・人事・一般社員・管理職の計800名に「人的資本開示に関する実態調査」を実施した。結果の要旨は次のとおり。
結果の要旨
- 2023年4月に人的資本開示の義務化が始まったが、上場企業の経営層(経営者・人事)の中で義務化自体を知らなかった人が約2割(22.1%)いた
- 人的資本の開示に向けた現状の情報整備に満足していない理由として「人材不足」が33.3%と最多であった。「課題が多く、公開することに躊躇しているから」が31.0%と2番目に多かった
- 人的資本開示の7分野19項目の中で、取り組めていると思う項目を尋ねたところ、とくに「人材育成」分野の3項目は、経営層(経営者・人事)と現場社員(一般社員・管理職)の間で10.0%以上の大きな差がみられた。また、経営層では2割(21.8%)、現場社員では4割(40.5%)が「取り組むことができている項目はない」と回答した
- 7分野19項目の開示項目の中で、「取り組んでいて効果が出ている」と思う上位5項目では経営層、現場社員とともに「労働慣行」分野が多く挙げられた。「取り組んでいるが効果が出ていない」と思う上位5項目は、経営層は「流動性」分野の2項目、現場社員は「人材育成」分野の全ての項目が挙げられた
- 回答者の勤め先の離職率は平均11.5%、休職率は平均7.8%、育児休業取得率は平均38.1%であった。また、エンゲージメント(働きやすさ・仕事のやりがい)は、満足していると回答した人が半数にも満たないことが明らかになった
詳しい調査結果と調査担当者の解説はこちらから確認できる。
なお、同調査の概要は次図のとおり。
【関連記事】
・「人的資本経営・開示の現状2023」を発表 人的資本経営を重視する企業は昨対で約2倍に—HR総研
・2023年度は27社が参画 資生堂などのデータをもとに人的資本の指標を検証—人的資本理論の実証化研究会
・自社のKPIに合わせて人的資本データを可視化する「カスタムボード機能」をリリース—HRBrain