Adecco Group Japanは、日本全国の人事担当者1500人を対象に、主にデスクワークの従業員の人事制度に関する調査を実施した。同調査では、従業員数1000人未満の企業を「中・小規模企業」、1000人以上の企業を「大規模企業」と記載する。
調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:主にデスクワークの従業員の人事制度の策定や、改定に関わる業務に携わる人事担当者
- サンプル数:1500人(従業員数1000未満の企業に所属:750人、従業員数1000人以上の企業に所属:750人)
- 調査方法:インターネット調査
- 実施時期:2023年3月23日~24日
- 調査実施会社:楽天インサイト株式会社
2020年度に人事制度を見直した理由1位は「新型コロナウイルス感染症の拡大」
「あなたの勤務先では、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が初めて発出された2020年度中に、人事制度を見直しましたか?」と質問したところ、49.9%が「見直した」と回答した。
なお、企業規模別にみると、「見直した」と回答した割合は、中・小規模企業が39.6%、大規模企業が60.1%であったという。
続いて、2020年度中に人事制度を見直したと回答した748人に対し、「見直しに至った要因は何ですか?」と質問したところ、最も大きな要因として挙げられたのは、「新型コロナウイルス感染症の拡大」(36.9%)であった。
企業別にみると、人事制度の見直しに至った要因の1位は両者とも「新型コロナウイルス感染症の拡大」(中・小規模企業:39.1%、大規模企業:35.5%)であったが、2位は中・小規模企業が「社会状況への対応」(17.2%)だったのに対し、大規模企業は「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」(16.2%)と、優先事項に違いが見られた。
約5割が2023年度以降に人事制度を見直すと回答
次に、「あなたの勤務先では、2023年度以降に人事制度を見直しますか?」と質問したところ、46.4%が「見直す」と回答した。企業規模別にみると、「見直す」と答えた割合は中・小規模企業が37.6%、大規模企業が55.2%であったという。
続いて、2023年度以降に人事制度を見直すと回答した696人に対し、「見直すことにした要因は何ですか?」と質問したところ、最も大きな要因として挙げられたのは、「人的資本経営の推進」(21.6%)であった。
企業別にみても、中・小規模企業、大規模企業ともに「人的資本経営の推進」が1位となり、人的資本経営の重要性が高まっていることと、新型コロナ対応の優先順位が低くなっていることがうかがえる。
リスキリングへの取り組み・検討状況は企業規模で差が出る結果に
「あなたの勤務先では、従業員のリスキリングに取り組んでいますか?」と質問したところ、大規模企業は31.1%が「取り組んでいる」と回答した。28.4%が「取り組む方針であり、具体的な計画がある」、24.9%が「取り組む方針だが、具体的な計画はない」と続く。
一方、「取り組んでいる」と回答した中・小規模企業は11.6%にとどまった。40.5%は、「取り組んでおらず、計画もない」と回答した。
導入している制度は「1on1ミーティング」「コーチング」が同率1位
最後に、人事関連の制度の導入状況について質問したところ、最も導入されていたのは「1on1ミーティング」と「コーチング」で、どちらも24.1%が「導入済み・導入決定済み」と回答した。
「1on1ミーティング」を導入しているのは大規模企業が36.4%、中・小規模企業が11.7%、「コーチング」は大規模企業が34.7%、中・小規模企業が13.5%と、企業規模で差が大きいことが分かった。
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