ABABAは、25卒の学生を対象に、就職活動に関する考え方についてアンケート調査を行った。
25卒が内定辞退する理由には、「ネットの評判」や「対応の悪さ」も
もし内定を辞退する場合、その決め手・理由は何かと聞いたところ、「別の希望企業の内定が決まったから・第一志望企業ではないから」が90%と大多数を占める結果となった。次点が「口コミ(ネット含む)で悪い評判を聞いたから」の18%となり、SNSやインターネットで調べた口コミを判断材料にしていることが分かった。続いて、「内定後の対応が悪かったから」が13%となり、内定を出した後の企業側の対応も重要であることが分かる。
なお、インタビューに回答した学生のコメントは次のとおり。
都内私立大学文系のA氏
A氏は、アンケートで「口コミ(ネット含む)で悪い評判を聞いたから」と回答しており、その理由として「友人から『内定を出した企業より囲い込みのような連絡があり、逃げたくなった』という話を聞き、そのような企業は嫌だなと思いました。また、自分は就活エージェントからの紹介を中心に就職活動を行っていましたが、企業が提示している実際の内定承諾期限よりも、エージェントから早い期限を伝えられ、不信感が募りました」と語った。いわゆる「オワハラ(企業が就活生に内定を出すのと引きかえに、ほかの企業への就活をやめるよう強要することを指す、就活終われハラスメント)」や、企業側ではなく就活エージェント側への不満などが、学生間で共有されていることが分かった。
都内私立大学文系のB氏
B氏は、アンケートで「内定後の対応が悪かったから」「口コミ(ネット含む)で悪い評判を聞いたから」と回答している。「そのような対応された経験はなく、友人やインターネットで知った情報になりますが、『内定後の対応が悪い』と思う場合は、事前に知らされていなかった研修を内定前に受けなければならない、内定前の拘束や課題が多すぎるなどがあると、入社後の不安が募るため、内定辞退のきっかけになると思います」と話した。
67%の学生が、すでに「将来の転職を想定している」
就職活動を行っている現在、将来転職することを想定しているかと聞いたところ、「している」が67%という結果になった。
転職を想定している理由は、「1社目が理想の企業とは限らないから」が69%、「ステップアップ・キャリアアップのため」が61%と多数を占めた。
また、転職は何年後を想定しているかという質問では、1位が「5年後以上」の33%、2位が「3年以上4年未満」の31%、3位が「4年以上5年未満」の12%となり、3年~5年程度での転職を想定している割合が、約8割という結果になった。
なお、インタビューに回答した学生のコメントは次のとおり。
都内私立大学文系のC氏
C氏は、アンケートで「転職を想定して就活」「転職時期は5年以上先」と回答しており、「転職したいと思って就活をしていたというよりは、『転職しても大丈夫と思える職業』で働きたいという気持ちがありました。キャリアアップのための転職ではなく、転職は1つの選択肢として考えています」と語った。
関東私立大学理系のD氏
D氏は、アンケートで「転職を想定して就活」「転職時期は5年以上先」と回答した。「転職するほうが、自分がスキルアップできるのではないかと考えています。待遇なども自分のスキルが上がれば、より良い待遇の企業に行けるのではとも考えています。また、自分に飽き性な部分があり、1つの会社にずっといることがあまり想像できていません。いろいろな仕事や人と関わりたい気持ちがあり、将来的に転職する可能性が高いかなと思っています」と話した。
同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:ABABAに登録している25卒の就職活動生
- 調査機関:ABABA
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年4月24日
- 有効回答数:300名(就活生インタビューは、同アンケートへ回答した学生へ実施)
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