ペンマークは、同社が運営する学生向け学習管理SNS「Penmark」を利用している学生を対象に、「Z世代の就職意識活動に関する調査」を実施した。
Z世代が就職活動で興味のある分野は「IT業界」が根強い人気
Z世代が就職活動で興味のある分野は、1位が「メーカー」(14.4%)、2位が「IT・通信」(12.4%)、3位が「商社」(7.5%)となった。上位2つに関しては2023年と変わらず、この2つの業界に対する高い関心が見られた。
特に、IT分野は2023年から2024年にかけて1.2ポイント上昇している。生成AI系技術の発展やデジタル化が加速する社会において、デジタルネイティブであるZ世代は、自らの専門性を発揮しイノベーションを起こせる場としてIT分野を捉えている様子がうかがえると同社は述べている。
Z世代の就職観、「市場価値を高められるか」を最重要
就職先を決めるうえで最も重視するポイントは、「スキルアップや成長の機会が多く、市場価値を高められるか」という結果となった。この傾向は、大学1年生から4年生まで一貫して、最も高い割合となっている。一方、「福利厚生」「ワークライフバランス」「企業の知名度」は相対的に低い割合にとどまったことから、Z世代の働く環境や条件よりも自身のスキルアップを重視する姿勢が顕著に表れる結果となった。
また、学年別のデータを見ると、学年が上がるにつれて「社会貢献やインパクトのある仕事ができるか」「SDGsへの取り組みがあるか」といった項目の割合が低下する傾向にあった。この結果から、低学年の段階では社会へのインパクトを重視する傾向が強いが、就職が近づくにつれてその割合が低下し、より自身のキャリアアップに重点を置くようになる傾向が見られた。
さらに、男女で比較すると、1位は共通の結果となったが、2位以降で違いが見られた。男性は、スキルアップや成長の機会の次に、「給与・待遇が良いか」(15.5%)や「職場の雰囲気・社風・コミュニケーションが良いか」(8.6%)を重視している。一方で、女性は、「魅力的なサービス・プロダクトであるか」(12.0%)や「SDGsへの取り組みがあるか」(10.7%)が続く。
このデータから、男性は自身のキャリアアップと経済的な側面により重点を置く傾向があり、女性は仕事内容そのものや企業の社会的責任により関心が高いことがうかがえる。また、女性は「海外で仕事ができるか」(8.7%)や「尊敬できる上司がいるか」(5.1%)といった項目の割合も男性よりも高く、グローバルな環境での働き方や、職場の人間関係により価値を置いていることが示唆される。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:「Penmark 公式LINEアカウント」を利用中の学生
- 対象エリア:日本全国
- 調査期間:2024年3月13日~4月30日
- 調査方法:LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
- 有効回答数:2万9750人
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