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インタビュー《企業文化・カルチャー》| 「やりがい」を社員に持ってもらうために人事ができること

「やりがいの不足」をサーベイで察知! スパイダープラスの人事が総会で企画した「ヤリイカ大賞」とは

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 建設DXサービス「SPIDERPLUS」を提供するスパイダープラス株式会社。「“働く”にもっと『楽しい』を創造する」をミッションに掲げ、建設業界の業務効率化に貢献している。そんな同社では、エンゲージメントサーベイの結果を基に、やりがいを感じた仕事についてプレゼンテーションを行う「ヤリイカ大賞」を社員総会にて企画した。同社はどのようにしてエンゲージメントサーベイから組織の状態を分析し、改善の施策を実施するに至ったのか。スパイダープラス株式会社 執行役員コーポレートデザイン室 HRセクションリーダー 石井功一氏とHR室 企画・運用チーム 山崎愛佳氏に話を聞いた。

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ベンチャーで働く「メインディッシュ」がない⁈ サーベイで見えた組織の状態

——まずは貴社が抱えていた組織の課題を教えてください。

石井功一氏(以下、石井) まず当社は、2024年4月に発表した人的資本レポートにて、組織ビジョン「顧客とともに“未来”をつくる『イノベーション組織』」を打ち出しました。その実現に向けて、「①仲間を集める」「②成長に向き合う」「③組織をつくる」という3つの観点で取り組みを進めています。その際に、組織の状態を知る指標となるのが、毎月実施しているエンゲージメントサーベイのスコアです。

石井 功一氏

石井 功一(いしい こういち)氏

スパイダープラス株式会社 執行役員コーポレートデザイン室 HRセクションリーダー

広告業界、通信業界にて情報システム部門責任者を歴任。デジタルコンテンツ制作会社にてエンジニア部門管掌取締役を務める。2020年5月よりスパイダープラスへジョイン。開発部門のVPoEや責任者を経て、2023年3月よりHR室長に就任した。

 スコアの変化を見ていると、山崎があることに気がつきました。それは、他のスコアの伸び率と比べると、「成長機会」や「やりがい」の伸び率が少し低いことです。

——それはなぜなのでしょうか。

山崎愛佳氏(以下、山崎) 2021年から2022年にかけて、スパイダープラスの組織は急速に拡大しました。それを受けて、2023年は全社メッセージの強化に取り組んだのです。これにより、「ミッション・ビジョンへの共感」や「組織戦略への共感」といったスコアは伸びた一方、会社からのメッセージの中で自分にとって大切なものを選び取りづらくなってしまっていたのではないか。あるいは、会社のメッセージを伝えることに重きを置きすぎて、メッセージを受け取る社員の当事者感が薄れ、受け身になってしまったのではないかと思いました。

山崎 愛佳氏

山崎 愛佳(やまさき あやか)氏

スパイダープラス株式会社 コーポレートデザイン室 HRセクション HR企画・運用チーム

大手エンタメ企業での人事、法人営業経験を経て2022年9月にスパイダープラスへ入社。HR組織における企画業務を務めるほか、組織開発チームリーダーを務める。

 スパイダープラスは社会貢献性の高い事業をしていますし、入社される方もそこに共感していただけているので、カルチャーフィットはできている。それなのに、「成長機会」や「やりがい」のスコアが伸びない違和感が私の中に強くありました。加えて、新しく入社された方と面談をしていると、ミッションへの共感度が非常に高い一方で、ベンチャー企業として前のめりに成長し、挑戦しつづけるには、「ミッションの実現と自身の業務のつながり」が足りないように感じました。そこで、会社として、社員1人ひとりに自分自身のやりがいを見つめ直してもらうことが必要なのではないかと考えました。

石井 「なぜこのスコアが伸びづらいのだろう」と別の執行役員に相談したとき、「ベンチャーなのに『成長機会』や『やりがい』が感じられないなんて、みそ汁で白米を食べているようなものじゃないか」と言われたことが印象に残っています。やはりベンチャーのメインディッシュは「成長機会」や「やりがい」ですし、ここを伸ばすことは非常に大事です。

 一方で当社の事業では、建設業界の働き方改革という大きなテーマに取り組んでいるので、自然に身を任せているだけだと、成果を実感できるまでに時間がかかる。そこで半ば強引にでも、自分の仕事の中でやりがいや成長を実感したエピソードを話してもらう機会をつくろうと、「ヤリイカ大賞」を企画しました。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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