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はじめてのTCP/IP その2 ~ トランスポート層とアプリケーション層のプロトコル


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UDP

UDPも、アプリケーションへのデータを振り分けるために利用するプロトコルです。ただし、TCPとは異なり、相手のアプリケーションが動作しているかどうかや、データがきちんと届いたかといった確認を一切行いません。相手のアプリケーションにいきなりデータを送り付けますし、送信したデータが相手のアプリケーションまできちんと届くかどうかも保証しません。

このようにUDPは、データ通信の信頼性がけっして高くありません。ではなぜ、そのようなプロトコルがあるのかというと、余計な処理を行わない分、TCPに比べ、データの転送効率が高いというメリットがあるのです。TCPでは、送信データのサイズが大きいときには、TCPが適宜分割してくれますが、UDPでは、データを送信したいアプリケーション側であらかじめ適切なサイズに分割する必要があります。

UDPでアプリケーションのデータを送受信するには、データにUDPヘッダを付加します。UDPヘッダとアプリケーションのデータを合わせてUDPデータグラムと呼ぶことがあります。

UDPを利用する典型的なアプリケーションは「IP電話」です。IP電話の音声データは、IP電話で細かく分割します。IP電話の設定によって異なりますが、1秒間の音声データは50個に分割されるような設定が一般的です。IP電話で細かく分割した音声データにUDPヘッダを付加して転送します[6]

図4:UDPによるアプリケーション間のデータの転送
図4:UDPによるアプリケーション間のデータの転送

[6]: IP電話の音声データには、UDPヘッダだけではなく「RTP」(Real-time Transport Protocol)ヘッダも付加されます。RTPヘッダには、それぞれのデータのタイムスタンプ(時刻)が記録されていて、元の音声データに組み立てられるようにしています。

UDPヘッダのフォーマットは次図のとおりです。

図5:UDPヘッダフォーマット
図5:UDPヘッダフォーマット

TCPに比べて、UDPヘッダのフォーマットはとてもシンプルで、ポート番号の情報のみと言っていいぐらいです。

TCP or UDP ?

アプリケーション間でデータを送受信するトランスポート層のプロトコルに、TCP/IPでは、TCPとUDPの2種類用意しています。どちらも一番の目的は、適切なアプリケーションにデータを振り分けることです。

この共通した機能以外に、信頼性を確保する必要があればTCPを利用します。信頼性はあまり重視せずに効率だけ求めるのであればUDPを利用します。アプリケーションごとにどのようにデータの転送をしたいかによって、TCPかUDPを使い分けます。

TCPを利用するようなアプリケーションは、送受信するデータのサイズが大きいものです。データサイズが大きいと、分割しなければいけません。分割されたデータの一部が失われると、宛先でデータを組み立てることができないので信頼性が必要です。TCPを利用すれば、アプリケーション間のデータ転送において信頼性を確保することができます[7]

一方、UDPを利用するようなアプリケーションは、扱うデータのサイズが小さくて分割の必要がないものです。また、IP電話のようなリアルタイムのデータの転送が必要なものや、同じデータを一度の複数の宛先に送信する(ブロードキャストまたはマルチキャスト)ようなアプリケーションも、UDPを利用することが多くなっています。

次表にTCPとUDPの特徴をまとめておきます。

表3:TCPとUDPの比較
プロトコル TCP UDP
信頼性 高い 高くない
転送効率 高くない 高い
主な機能
  • アプリケーションへのデータの振り分け
  • データの分割/組み立て
  • 再送制御
  • フロー制御
  • アプリケーションへのデータの振り分け
用途
  • データのサイズが大きく信頼性が必要なアプリケーションのデータの転送
  • リアルタイムのデータの転送
  • ブロードキャスト、マルチキャスト
  • データのサイズが小さいアプリケーションのデータ転送

[7]: 大部分のアプリケーションはTCPを利用しています。私たちが現在利用しているアプリケーションのデータのサイズは比較的大きく、分割が必要になるからです。

次のページ
アプリケーション層のプロトコル

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この記事の著者

Gene(ジーン)

2000年よりメールマガジン、Webサイト「ネットワークのおべんきょしませんか?」を開設。「ネットワーク技術をわかりやすく解説する」ことを目標に日々更新を続ける。2003年にCCIE Routing and Switchingを取得。2003年8月に独立し、ネットワーク技術に関するフリーのインストラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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