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特別寄稿《理念浸透》 | 「理念」とは何で、「理念浸透」とは何なのか

理念を“浸透させ続けないといけない”ワケとは 定義から浸透ステップまで「理念浸透」の基本を解説!

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 立派な理念を掲げ、組織への浸透を図っている企業は少なくない。しかし、理念実現に近づくどころか、不祥事を起こして理念から遠ざかり、結果的に企業価値を損なってしまう企業が後を絶たない。そこで本稿では、「理念」「理念浸透」が何を意味するのかをあらためて定義し、企業が理念浸透を重視すべき理由を考える。

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企業に理念浸透が重要な理由

 なぜ、企業にとって理念浸透は重要なのだろうか。その理由を2つ紹介したい。

1. コンプライアンス強化につながる

 企業が不祥事を起こしたという話題は尽きない。不祥事の発生を阻止すべく、コンプライアンス強化に注力している企業も多いだろう。実は、理念浸透はコンプライアンス強化に効果を発揮する。

 アメリカでコンサルティング会社を経営し、ニューヨーク大学で倫理体系の諮問委員会に所属するロン・カルッチ氏の研究では、「組織としてのアイデンティティが明確でない、あるいは従業員の日々の業務に即していない企業では、そうでない企業と比較して、従業員が隠蔽や改ざん、不正を働く傾向が約3倍も高くなる」[1]ことが分かっている。

[1]: ロン・カルッチ(著)/弘瀬友稀(訳)『誠実な組織 信頼と推進力で満ちた場のつくり方』(2023、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 アイデンティティとは、「自分たちは何者で、何を実現したいのか」ということであり、理念において規定されることが多い。つまり、理念が浸透していない企業では、経営者も従業員も道に迷い、不正や隠ぺい、社内での足の引っ張り合い、顧客への不誠実な対応など、望ましくない行動が蔓延するリスクがある。そうなれば当然、顧客や投資家といったステークホルダーから選ばれなくなり、企業価値は下降の一途をたどる。

 「コンプライアンス強化に向けて、研修やテストなど手を打っているのに、なぜ問題が起きるのか……」と悩みを抱える企業も多いだろう。理念浸透によって大切にしたい考え方を根づかせ、従業員がそれに沿った行動をとれるようになれば、結果的にコンプライアンスは強化される。

2. 業績向上につながる

 「理念で飯は食えない」といわれることがあるが、それは間違いだと考えている。

 INSEADとIMDの研究[2]によれば、企業がより多くのValue(行動指針)を掲げているほど、業績が良いという相関関係が明らかになっている。そのほか、経営理念と業績や従業員のパフォーマンスとの関係性を示す研究はいくつも存在する。

[2]: Karsten Jonsenほか「Evaluating espoused valuesDoes articulating values pay off?」(『European Management Journal Volume 33, Issue 5』, 2015, P332~340)

 世界の時価総額トップクラスの企業を見ても、理念を重視している企業ばかりだ。たとえば、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「我が信条(Our Credo)」は世界的に有名であるし(詳しくは後編にて)、マイクロソフトやアマゾンなどのビッグテックはどこも理念を重視している。日本では、松下幸之助氏や稲盛和夫氏といった偉大な経営者が理念を重視していたというのは有名な話だ。

 理念浸透は、企業のパフォーマンス向上でも無視できない要素なのである。

理念は「浸透させ続けなければならない」

 こうした理由から、企業にとって理念浸透は重要だ。ここで強調しておきたいのが、理念は「浸透させ続けなければならない」ということである。

 なぜなら、企業は創業から時間が経つほど、あるいは規模が拡大するほど、簡単に理念を忘れ、目的を見失うからである。熾烈なビジネス競争にさらされる中で、徐々に目的と目の前の仕事が乖離していき、いつしか手段だったはずの業務遂行や業績目標の達成が目的にすり替わり、本来の目的は忘れ去られていく。そうならないためには、常に「目的に立ち返れる状態」にしておく必要がある。だからこそ、企業は理念を従業員に浸透させ続ける努力をしなければならない。

 しかし、理念浸透に手を焼いている企業は少なくない。そこでまずは、「理念」や「理念浸透」が何を意味するのかを確認しておこう。それらを定義せず曖昧なままにしていては、当然浸透させることはできない。

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この記事の著者

白木 俊行(シラキ トシユキ)

株式会社リンクアンドモチベーション インキュベーション推進室 室長2007年に早稲田大学理工学部卒業、同年株式会社リンクアンドモチベーション入社。大手企業向けコンサルティングに従事した後、2010年、自社のR&Dを担うモチベーションエンジニアリング研究所の立ち上げに参画。2017年には、成長...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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