コーナーは、企業の経営・人事部門に「組織戦略の振り返り調査」を実施し、人事制度や組織・人材開発のトレンドと施策例を公開した。
組織開発を目的にした取り組み
中小企業では「MVV浸透施策」や「社内コミュニケーション施策」など、リソース不足からコスト効率の高い施策が選ばれている。大企業では、複雑な組織構造に対応するシステムや制度整備が課題であることが顕著に分かる結果となった。
組織・人材開発に取り組むうえでの課題
企業規模を問わず、「人事部のリソース不足」が課題の1位。特に中小企業では、多忙な業務環境が効果的な施策の推進を阻害している可能性があるという。企業規模が大きくなるにつれ、「推進担当のスキル不足」への課題感が高まる。研修や専門家のサポートや、経営層を巻き込み、実行力を高めることが求められているという。
新たに導入・改善した人事制度
成果主義や透明性向上を伴う評価制度が注目され、労働者の多様なニーズに応える働き方の制度改善や導入に取り組む割合も高い。ダイバーシティ推進の観点では、産休・育休後の復職支援や障がい者雇用の推進に取り組むも、そもそも全体的な取り組み状況が低い。背景には、制度導入のハードルやリソース不足が考えられると同社は述べる。
うまくいった施策
成功例を見ると、大企業ではテクノロジーを活用した効率的かつスケーラブルな取り組みが目立ち、中小企業は人と人との直接的なコミュニケーションを重視したものが多い。
2025年に取り組みたい人事施策
「AI活用による生産性向上」や「リスキリング・アップスキリングの強化」は、どの企業でも取り組み意向が高い。中小企業では限られた人材で業務を拡張するため、採用と合わせてスキル向上も優先度は高く、「評価・報酬制度」も中長期的に組織基盤を強固にしていく重要な取り組みになっている。大企業では、規模の拡大による「多様性対応」や「リーダー育成」の重要性が高まっているという。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:従業員規模10〜5000名以上の一般企業に勤める企業の人事部門
- 調査期間:2024年12月1〜9日
- 調査実施者:コーナー
- サンプル数:308名(経営・取締役、執行役員・統括部長級、部長級、課長・マネージャー級、係長・主任級、一般)
- 調査方法:Webアンケート調査
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