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インタビュー | 東京都庁の人事給与システムの現状と再構築プロジェクトの展望を聞く

東京都庁が「人事給与システムの再構築プロジェクト」に挑む!“マウスでなくFキーで操作”から脱却へ

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目指すは“柔軟”で“負担の少ない”システム 人事データ活用の展望は?

——では、現在進められているプロジェクトでは、どのような人事給与システムへの再構築を目指しているのでしょうか。

 大きな目標は3つあります。1つ目は、職員種別ごとに分かれているサブシステムを統合し、計算ロジックを「共通部品化」することです。これにより、今後の制度改正にも柔軟かつ迅速に対応できるシステムを目指します。

 2つ目は、データのやり取りのオンライン化です。現在、外部団体とのデータ連携は、物理媒体で行うことが多いのですが、これをオンライン化することで、よりスムーズで安全な連携を実現したいと考えています。

 3つ目は、シームレスなデータフローの実現です 。現状では、たとえば休職情報1つをとっても、人事、給与、庶務事務といった複数のシステムに同じ情報を手入力する必要があり、担当者の大きな負担になっています。これを、1ヵ所に入力すれば、関連する全てのシステムに自動で連携される仕組みを構築し、重複して入力する手間をなくしたいと考えています。そのために、データ連携機能を新たに検討しています。

——データが整うことで、人事データの活用も進むのではないでしょうか。

 はい、そこは非常に重要なポイントです。正直なところ、現行のシステムでは人事データを戦略的に活用できる状態とはいえません。データ利活用を目的とした形式ではデータが整理されておらず、分析に使える状態ではないためです。たとえば、氏名が名字と名前で分かれていないなど、基本的なデータの持ち方から見直す必要があります。今回の再構築は、将来的に人事データを「使えるデータ」として整備したいという考えもあります。各局が主体的にデータを活用して組織運営に活かせるようにするのも想定しているので、重要な基盤づくりだと捉えています。

——再構築プロジェクトの今後のスケジュールについて教えてください。

 大きなリリースはまず、令和10年(2028年)の夏頃を目標にしています。もちろん、機能によっては段階的なリリースを予定していますが、まずはそこに向けて取り組んでいます。人事データの利活用が本格化するのはもう少し先になるかもしれませんが、人事給与システムの再構築がその第一歩です。

「人に聞く」ことを大切に 巨大プロジェクトの成功は対話から生まれる

——最後に、この大規模な再構築プロジェクトを進めるうえで、木下様が大事にされていることを教えてください。

 とにかく、「人に聞くこと」を最も大事にしています。再構築しようとしているのは、都庁内でも有数の巨大システムです。関わるステークホルダーも非常に多いため、ささいなことでも、制度担当や運用担当、ベンダーの方々など、それぞれの専門家につど確認し、話を聞くようにしています。そうすることで手戻りを防げますし、対話の中から自分が気づかなかった新たな発見も得られます。

——大規模な組織では、他部署との連携や合意形成が難しい場面もあるのではないでしょうか。

 そうですね。だからこそ、協力をお願いする際には、背景を丁寧に説明して、相手にとって「どのようなメリットがあるのか」を伝えることを心がけています。そうすると、「そういうことだったら協力します」と快く受け入れていただけることが多いです。多くの人の協力なしには絶対に成し遂げられないプロジェクトだからこそ、常に謙虚な姿勢で、丁寧なコミュニケーションを重ねていくことが不可欠だと感じています。

——本プロジェクトの成功を応援しています。リリースされた際は、ぜひまたお話を聞かせてください。

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この記事の著者

関口 達朗(セキグチ タツロウ)

フリーカメラマン。1985年生まれ。東京工芸大学卒業後、2009年に小学館スクウェア写真事業部入社。2011年に朝日新聞出版写真部入社。2014年から独立し、政治家やアーティストなどのポートレート、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。2児の父。旧姓結束。趣味アウトドア。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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