スコラ・コンサルトは、全国の社員100名以上の企業に勤める一般社員・管理職を対象に、転職や働くことに関する意識についてアンケート調査を実施した。
「働く会社を選ぶ際に重視すること」と「今の会社で満足していること」の3要素
「今、働く会社を選ぶとしたら、どのようなことを重視するか」と「今の会社のどのようなところに満足しているか」の2つを質問したところ、「給与・賞与・福利厚生」「残業の少なさ・休みのとりやすさ」「人間関係」で上位が共通する結果となった。
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2つの設問の結果から、「働く会社を選ぶ際に重視すること」(横軸)と、「今の会社で満足していること」(縦軸)の関係を分析した。点線は項目の分布傾向を表す近似線で、重視割合に対して7割ほどの満足割合になっている項目が多いことが分かる。
赤字で示した上位3要素のうち、「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」は近似線より上にあるが、「給与・賞与・福利厚生」と「上司・同僚・部下の人間関係」は近似線の下に位置していた。そのため、これら2つの要素は、満足度を高める余地がまだ残されているという。
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転職意向が高いのは「若い年代」と「女性」
全体の22.1%が「1年未満に転職したい」、または「1〜3年未満に転職したい」と考えている。10年以上先まで含めると転職を考えている人は50.2%、一方、「転職はまったく考えていない」人は49.8%と二分された。
若い年代ほど転職意向が高いことが分かる。また、20代から40代までは女性のほうが男性よりも転職意向が高い傾向があった。
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社員が長期に定着する要因と考えられるのは「残業の少なさ・休みのとりやすさ」「人間関係」「自由度や裁量」
1問目の「今の会社で満足していること」を転職意向別に分析した。
「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」「上司・同僚・部下の人間関係」「自由度や裁量があり、自分らしく働ける」の3つの項目は、今の会社により長く務めたいと考える人や転職を考えていない人ほど満足する傾向があるため、社員の長期定着を左右する重要な要因と考えられる。
また、「給与・賞与・福利厚生」と「仕事内容が希望や興味に合う」の2つの項目は、転職希望時期の長短とはそれほど関連しないが、「転職はまったく考えていない」人において割合が高くなっている。そのため、転職せずに会社に定着するための要素だと考えられるという。
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転職経験者の61.8%が転職前の会社より「今の会社のほうがいい」と評価
転職の「総合的な評価」について、満足合計(「今のほうがいい」「どちらかと言えば今のほうがいい」)は61.8%、不満合計(「前職のほうがいい」「どちらかと言えば前職のほうがいい」)は7.8%だった。個別の項目で満足合計が高いのは「残業時間・休日出勤・柔軟な働き方」が65.5%、「給与や福利厚生」が62.3%であった。
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全体の11.8%がほかの社員の「リベンジ退職」を経験
会社に対する不満から、退職時に会社への報復的な行動を伴って退職する「リベンジ退職」が注目されているという。同調査では次の3つの選択肢が「リベンジ退職」に該当する。「職場への報復的な行動を伴って退職した」「退職前に、その人が担当していた業務のデータが消されていた」「退職前に不満や悪口を職場の一斉メールやチャットで送られた」。これらの選択肢を1つでも選んだ人は11.8%存在した。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査主体:スコラ・コンサルト
- 調査方法:調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答
- 調査期間:2025年5月23~26日
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有効回答数:2106人
- 役職内訳:一般社員・係長1868人、管理職(課長・部長)238人
- 性別・年齢内訳:次図のとおり
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