アデコは2025年6月27日から30日にかけて、全国のX世代(45~59歳)、Y世代(29~44歳)、Z世代(20~28歳)の働き手2050人(X世代750人、Y世代800人、Z世代500人)を対象に、仕事での生成AI利用状況やその影響についてインターネット調査を実施した。
調査によると、仕事で生成AIを使用していると答えた層は全体の27.4%(561人)にとどまった。世代別ではZ世代の利用率が36.6%と最も高く、Y世代が約3割、X世代は19.9%だった。Z世代は、他世代よりも高頻度でAIを活用しており、36.6%が「ほぼ毎日生成AIを使う」と回答した。


生成AI利用者の9割が、1年前より利用頻度が増えたと感じている。利用用途で最も多かったのは「文章や資料の作成・推敲」で、全体の58.5%がこの用途で利用していた。


また、生成AIを利用している働き手は、「生成AIの進化によって人間にしかできない仕事が増える」と考える割合が56.8%と高く、未利用者の40.3%を上回った。ワークライフバランスや給与・報酬の向上についても、AI利用者のほうが肯定的な傾向を示した。ワークライフバランスへの良い影響を感じると答えたのは、利用者が67.7%、未利用者が51.9%だった。給与・報酬が上がると考える割合も、利用者42.1%に対し未利用者は27.6%にとどまった。



AI利用が業務に与える効果についても世代差が見られ、Z世代は仕事のクオリティや生産性、モチベーションなどさまざまな面でその恩恵を強く感じている。一方、世代が上がるほど効果を感じる割合は低下する傾向があった。また、。生成AIを利用していない理由として最も多く挙げられたのは「自分の業務内容に合わないから」(32.8%)だった。
アデコは、「自分の業務内容に合わないという働き手の多くが、生成AIを使う前に判断していたり、適切な用途で利用する前に使うのをやめてしまっている可能性がある」としたうえで、「デジタルネイティブと呼ばれるZ世代は、新しいテクノロジーへの適応力が高く、それが業務における活用につなっているものと考えられる。生成AIを、実際に役立つツールとして認識している点も、他の世代と比較し際立っている。今後は、こうした若手世代の知見や経験を、他の世代の働き手が積極的に学び、組織全体で生成AIの活用を進めていくことが求められる」とコメントしている。
【調査概要】
- 調査対象:日本全国の勤続1年以上の会社員および公務員・団体職員
- サンプル数:20代~50代の男女2050人(各年齢男女25人ずつ)
- 調査方法:インターネット調査
- 実施時期:2025年6月27日~30日
- 調査実施会社:楽天インサイト株式会社
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