人事は1人で背負わなくていい
最後に、サーベイを運用する人事の皆様にお伝えしたいことがあります。
サーベイの設計と運用を人事が担うとしても、届いた声に向き合い、判断を下し、結果を社員に返す責任は、経営と管理職も負わなければなりません。この線引きがあいまいなまま、間に立つ人事だけが消耗している企業を、私は数多く見てきました。スコアが下がれば経営から責められ、現場からは疎まれる。そうなる前に、何のためにサーベイをやるのか、結果をどう活かすのかを整理して、経営に提言してみてください。
明日からの1歩目は、棚卸しです。いま組織にあるサーベイ、1on1、目安箱など、社員の声を集めるチャネルをすべて並べてください。そして、それぞれを「読み解く人はいるか」「打ち手は生まれたか」「結果は社員に返されたか」「一連の流れに責任を持つ人は誰か」の4点で点検します。
どこかで止まったまま立て直せないチャネルは、勇気を持ってやめてください。声を集めながら何も返さないことは、社員の諦めを深めるからです。
そのうえで、集めた声に対する判断を社員へ返す場を、まず1つ確保してください。全社ミーティングでも、メールでも構いません。ここから歯車は回り始めます。
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次回は最終回。3本の柱の1つ「経営理念の実装」を取り上げます。1on1を回し、サーベイを取っても、「何のために声を上げるのか」の答えが組織でそろっていなければ、変化は同じ場所を回るだけになってしまいます。理念を絵に描いた餅で終わらせない実装の手順と、連載全体の総まとめ、そして明日からの1歩目をお届けします。
なお、本連載の土台となる拙著『フィードバック経営 「沈黙の組織」から「高め合う組織」へ』(日経BP)では、本稿で紹介した4つの歯車や声の仕分け、パルスサーベイ運用の実際を、18種類のVoEチャネルの解説とともに詳しく取り上げています。富士通、キッツ、住友ファーマ、デロイト トーマツ、アストラゼネカ、弥生と、業種も規模も異なる6社の経営者が自ら語るフィードバック経営の実践事例も収めました。
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三村 真宗(ミムラ マサムネ)
株式会社U-ZERO 代表取締役 CEO 兼 CPO
慶應義塾大学卒業後、創業メンバーとしてSAPジャパン株式会社に入社。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベタープレイス・ジャパン株式会社などを経て、2011年に株式会社コンカーに参画。代表取締役社長として、社員一人ひとりの声を経営に活かす組織づくりを徹...
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