同調査からは、次のような現状が明らかになったという。
- 男性が育児休暇を「取るべき」と回答したのは85%。男女・年代別にみると、各年齢層共通で、女性のほうがより「取るべき」と回答している傾向
- 男性の育児休暇が普及しない理由(複数回答)として最も多かったのが「取りにくい雰囲気」(71%)、次いで、「育児休暇は母親がとるものと認識されている」(49%)、「人手不足で長期離脱が難しい」(48%)
この調査結果に対し、サイコム・ブレインズでダイバーシティ研修を統括している太田由紀氏は次のようにコメントしている。
「(回答者の大多数が男性の育児休暇について「取るべき」と感じていることから)男性の育児休暇取得がなかなか進まない最大の理由としてあげられた『取りにくい雰囲気』は、当事者や配偶者の『思い込み』である可能性が高いと言えます。これは、企業レベルでの啓発活動や直属の上司が背中を押し、部署内の態勢を整えることで大きく改善します。次いで多かった『育児休暇は母親が取るものと認識されている』といった性別役割認識に基づく『無意識の偏見』の存在が今回の調査では浮き彫りとなりました。
また自身が育休を取得する上で人手不足を懸念する男性も多くみられます。まずは1か月、あるいは週単位からでも育休を取得する男性=ロールモデルを増やす取り組みが必要です。並行して職場メンバーの無意識の偏見を緩和するワークショップ等を実施することが効果的です。
昨今メディアで問題となっている『パタハラ』(パタニティハラスメントの略で、積極的に育児参加する男性に対するハラスメントのこと)が、今後育休を取る男性の足かせになってしまう可能性があります。ここでも、人事だけでなく、直属の上司が積極的に『男性が育児休暇を取ることは自然である』というメッセージを発信することが求められます」