「2019年ヘイズ在外グローバル人材レポート」は中国、香港、日本、マレーシア、シンガポールの5つの国と地域に居住する求職者と企業を対象に在外グローバル人材採用に関する調査を実施し、その結果をまとめたもの。アジア全体では2185人が回答し、うち日本では182人が回答した。
日本人からの主な回答としてヘイズは、下記を挙げている。
- 海外での留学や就業の経験を持つ在外グローバル人材に対し、「帰国後初の就業先の給与について、どのような期待を抱きましたか」との質問に対し、58%が「海外就業時の給与を上回る待遇」と回答。23%が「海外就業時と同等の給与」、19%が「現状を下回る給与で受諾」と回答。
- グローバル人材の日本での求職活動においては61%が「適切な就業機会の不足」と回答、45%が「報酬が希望と合致しない」、39%が「国内の求人市場に慣れていない」と回答。
- 一方で、47%の日本企業が在外グローバル人材に対して現地人材を上回る給与を支払うことに消極的であると回答。「最大で10%まで」割増すると回答した企業は23%、「11%から25%」の間で割増すると回答した企業は21%。
- 在外グローバル人材採用にあたり、日本企業の33%が「待遇に対する期待とのミスマッチ」が課題と回答。49%が「国内での就業経験不足」が最も大きな課題と回答。
ここから、在外日本人の帰国就職においては、給与のミスマッチだけでなく、就業機会・就業経験のミスマッチが大きな課題であることが見える。
一方、アジア域内においては、61%の企業が「待遇に対する期待とのミスマッチ」を在外グローバル人材採用の最大の課題とする結果に。この点を踏まえ、ヘイズ・アジアのマネージング・ディレクターであるリチャード・アードレイ氏は、次のように見解を述べている。
「給与への期待額と提示額のミスマッチが問題なのであれば、彼らの価値観や考え方、モチベーションなどを考慮して対応を進めていくことが求められる。スキル不足の対応にむけて在外グローバル人材を採用したいと強く望んでいる企業は、金銭以外の福利厚生の適用についてオープンに話し合うことを勧める。そうした施策によってこうした人材の国内回帰が進む可能性もある」