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IT人材ラボニュース

仕事に対するエンゲージメントを調査、仕事に熱意があるのは全体の約4割―リクルートマネジメントソリューションズ

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 エンゲージメントは、人事領域において「社員と会社との間での確固たる信頼関係」を意味しており、現在大きな注目を集めている。エンゲージメントは、大きく分けると「組織に対するもの」と「仕事に対するもの」があるが、同調査では、個人と組織の両方にポジティブな影響がより大きい「仕事に対するエンゲージメント」、すなわち「ワーク・エンゲージメント」にフォーカス。また、ワーク・エンゲージメントの実態調査に加えて、ワーク・エンゲージメントが高い状態を生み出すにはどのような組織的サポートが有効かなどについて調査を行い、分析・考察している。調査対象は一般社員624名。

 結果のポイントとして挙げられていることは次のとおり。詳細な調査結果は同社のWebサイトを参照のこと。

  • 仕事に熱意があるのは全体の約4割、仕事から活力を得ているのは約2割
    約4割が1週間に1度以上の頻度で「仕事に熱心だ」、3割強が「仕事に誇りを感じる」「仕事をしているとつい夢中になってしまう」と回答。一方で、「活力がみなぎるように感じる」「さあ仕事へ行こう、という気になる」と回答した人は全体の約2割であった。
  • ワーク・エンゲージメントが高いのは「営業職の20代男性と40代女性」、低いのは「サービス職の30代女性と40代女性」という結果に
  • ワーク・エンゲージメントが高まるのは、「仕事が前に進む時」「役に立っていると思ったとき」「集中しているとき」「成果が出たとき」「よいものを目指して工夫しているとき」。
    一方で下がるのは、「仕事が誰のためにもならないと感じるとき」「誰でもできる仕事だと感じるとき」「上司から理不尽な扱いを受けたとき」
  • 約4割の人が週に1度以上「仕事のために心にゆとりがなくなった」「心身ともに疲れ果てた」と感じている
    職種別に結果に差が見られ、サービス職ではスコアが高く、技術職や事務職では低かった。
    また、その理由は「仕事の裁量の低さや仕事の負荷に対する報酬の不足が疲弊感をひきおこすこと」と考察できた。
  • 高いワーク・エンゲージメントは、「個人」と「組織」の両方に良い影響を与える
    「個人の幸福感」「組織や仕事への適応感」「離職意向」の3つとワーク・エンゲージメントとの関係は、ワーク・エンゲージメント高群(上位33%)と低群(下位33%)間に有意な差が見られた。
  • ワーク・エンゲージメントを高める職務・職場の特徴は、「先々やってみたいことを具体的にイメージできる」「環境変化を楽しめる」。また、職務のアサインの仕方や上司や同僚の支援は、「上司が、担当する仕事の意味や意義に関する話をする」「職場や会社の将来に関する意見交換をする」ことや「職場における質の高い成果を志向する風土」
  • ワーク・エンゲージメントを高めるための制度・仕組みとして有効なのは、経営や仕事に関する情報の共有(「経営の重要な情報の従業員への開示」「朝礼や社員全体会議を通じた会社のビジョンの共有」や職場での「仕事上の成功事例を共有する機会」)、また働き方改革の施策としては「働き方(時間・場所)の柔軟化」であることが示唆された。
    自信やスキルなどの個人の資源向上につながる「お互いの良いところやお互いへの感謝を伝え合う仕組み」「自分の希望に応じ、特定のスキルや知識を学べる研修」「従業員が幅広いスキルを獲得できるようなジョブローテーションの機会」も、ワーク・エンゲージメントを高めることに効果がある可能性が高い。

 なお、今回の調査結果について、リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所 所長の古野庸一氏は次のようにコメントしている。

 「過去の研究や事例を俯瞰すると、ワーク・エンゲージメント(以下WE)を高めるためには、二つのデザインから考えるとよいでしょう。

 1つめのデザインは「仕事のデザイン」です。本人が持っている技量に対して、簡単すぎず、難しすぎない程度の仕事で、プロセスに創意工夫の余地があり、結果のフィードバックがある仕事が理想です。さらに、その仕事に意味・意義があると思えるようになれば、本人の内発的動機が高まり、WEも高まります。

 WEを高める、もう一つのデザインは「コミュニケーションのデザイン」です。経営や同僚とのコミュニケーションの質を高めることで、居場所感を高め、仕事そのものを楽しくさせ、仕事の意味づけを喚起することができます。私たちの調査でも、経営や同僚とのコミュニケーションが、WEを高めることに役に立っていることがわかります。

 「仕事のデザイン」も「コミュニケーションのデザイン」も、WEを高めるための環境づくりです。そのやり方は、まだまだ工夫の余地があり、よりよい方法を模索していくことは、これからの経営施策のコアになっていくと考えられます」(古野氏)

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