インターナルモビリティで離職防止や生産性向上を
インターナルモビリティでは社内公募や社内FAにより、既存社員の最適配置を行う。人材が流動できるしくみがあると、生産性向上やエンゲージメントの向上にも寄与する。アメリカでは2014年時点の調査で、全採用チャネルの30%をインターナルモビリティが占めるとされている。
インターナルモビリティの実施は、社員からすると成長機会が与えられるため、社員の離職防止やエンゲージメント向上につながる。また、社内から人材調達できるため、採用施策コストを削減できる。次世代リーダーの創出や、流動性で社員間の交流や部署間の連携が円滑になることも期待できる。
自主的な社内異動で満足度が向上することは調査結果からも明らかだ。仕事の満足度が高い社員は理由に「仕事の面白さ」や「人間関係の良さ」を挙げており、逆に仕事に不満を抱える社員は理由に「成長しづらい環境」ほか、人間関係や仕事などを挙げている。
多くの企業の実状を想像してみてほしい。インターナルモビリティがない企業では生産性が低い社員が残留し、生産性が高い社員が流出してしまう。ここにインターナルモビリティがあれば、生産性の低い社員は最適配置で生産性を高められるし、生産性が高い社員は成長の機会を得られてさらなる生産性の向上と離職の防止を期待できる。
ただし、インターナルモビリティを進めようとすると、いくつかの課題に直面することになると鈴木氏。社員からすると、募集中のポジションを目にする機会がない、自分の活躍できる環境・部署が分からない、などが課題となる。一方、人事からすると、社内異動のための仕組みがない、適材の特定や異動プロセスが欠如しているなどが課題になる。また社員と人事両方において、社内異動することで組織内での何らかの摩擦が起きることも懸念とされている。
意外かもしれないが、インターナルモビリティとリファラル採用は相乗効果がある。全社は社内異動で、後者は社外からの採用なので異なるものと思われがちだが、どちらも友人に自社や仕事について語ることを通じて、自分の仕事やキャリアを内省する機会となるため関連性があるのだ。
鈴木氏は「リファラル採用に取り組むことがインターナルモビリティへの近道となります」と話す。インターナルモビリティをゼロから取り組むと制度設計や周知浸透などで頓挫するリスクが生じるが、リファラル採用が仕組み化されているとそのリスクが減る。社員が自社のJD(ジョブディスクリプション)を認知し、理解しているため、インターナルモビリティに応用できる。つまり友人を紹介するフローを自分が応募するフローに置き換えればよいのだ。
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