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今どきの人事課題クリニック | #6

テレワークで部下と信頼を築くためのコミュニケーションのコツとは

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 コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの企業でテレワークが始まって1年以上経ちます。業務には慣れてきたものの、上司もしくは部下との関係性に悩んでいる方は、いまだ多いのではないでしょうか。今回は、対面とは違うマネジメントやコミュニケーションでお悩みの方に向け、少しでも解決につながるヒントをお伝えしたいと思います。

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多くの管理職がチームビルディングに苦戦

 「お客様とのオンライン商談や社内ミーティングなどは、滞りなくできています。しかし、残念ながら、ここ最近の業績は芳しくありません。その原因も不明で苦戦中です。また、テレワークでのチームビルディングは初めてで、全て手探りで進めています。どうすれば、既存メンバーや新人が協力し合い効率的に仕事ができるのか分からず、悩んでいます」

 ニット(筆者が務める企業)には、このような現場のリーダー、管理職者の方からの相談がたくさん寄せられます。そこで今回は、オンラインマネジメントのポイントをお伝えします。

オンラインのやりとりに必要な3つの心構え

 「メンバーの強みは何ですか」と聞かれたら、即答できますか? メンバー一人ひとりの強みを理解し、それに沿った役割分担をしながら「目標に対してやると決めた行動をやり遂げさせる仕組み」をつくって推進できれば、自ずと結果はついてくると思います。そこで結果を出せないのは、メンバーのせいではなく、リーダーの立てた戦略が間違っていた、といっても過言ではないかもしれません。

前提として大切な3つのこと

  • ①「オンラインでなんでもできる」と思い込む
  • ②「仕事をしている」という性善説を持つ
  • ③メンバーを褒めて、信頼関係を構築する

①「オンラインでなんでもできる」と思い込む

 「対面で会ったことがないけれど、オンラインだけで信頼関係をつくることってできるのかな……」

 よく、この質問を受けます。でも、これは「対面でマネジメントしていたときと比べているから」そう思うだけではないでしょうか。ニットでは、面接もオンライン、入社後の育成もオンライン、もちろん事業運営もオンライン……全てオンラインです。

 「いやいや……それは、もともとフルリモートで運営しているニットだからでしょ?」

と思うかもしれませんが、私自身、3年ほど前に前職でマネージャーやっていたときには、オフィスに出社して、メンバーの顔色を見たり、表情から理解度を推し量ったりしながらマネジメントをしていました。

 だから、ニットに入社するときにはうまくやっていけるか不安でした。当時、私は中米ベリーズに住んでおり、入社してから2か月間は遠隔で業務を進めることになったからです。しかし、実際に始まるとなんてことはなく、業務は対面のときと変わらず行えました。「テレワークでうまく仕事ができるかな……」と不安になっているのはリーダーだけで、メンバーは「なんてことはない」と感じているケースは往々にしてあるな、と思います。

②「仕事をしている」という性善説を持つ

 一番多い質問は「メンバーがサボるんじゃないの?」です。

 ただ、サボる人はいつだってサボります。「在宅ワークになったからサボる」ということではありません。まずは、大前提として「仕事をしている」と信じてみてください。

 むしろ、家だと働きすぎてしまう方がいることに注意すべきです。例えば、移動時間がないため、オンとオフをうまく切り替えられず、結果として長時間労働をしてしまう可能性もあります。また、終電を気にせず夜中まで働くことも可能なので、中には働きすぎて体調やメンタルを崩してしまうメンバーも出てくるでしょう。オンラインマネジメントにおいて「働く時間」は最も気にかけるべきことの一つであるといえます。

③メンバーを褒めて、信頼関係を構築する

 メンバーは上司のことを想像以上に見ています。発言や行動を敏感に察知しています。特に、今回の新型コロナウイルスの感染拡大のような有事のときこそ、マネージャーやリーダーのスタンスが問われています。

 オフィスに出社して顔を合わせていれば、上司の表情などから必死さが伝わります。飲みにケーションに行けば、想いを伝えたりメンバーの悩みに寄り添ったりもしやすいです。しかし、オンラインだと頻繁にコミュニケーションをとれないので、温度感や空気感が伝わりません。そのため、信頼関係の構築が難しく、どんどん心の距離が離れていきがちです。

 このような事態を回避するためにも、まずは上司からメンバーへ歩み寄ることが重要だと考えます。チャットでひと言「ありがとう」「お疲れさま」など感謝や労いの言葉をかけられるだけでも、メンバーはうれしいものです。シャイなマネージャーや合理的なマネージャーには苦手かもしれませんが、メンバーを観察し、チャットなどで「昨日の商談、よく頑張ったね!」「●●くんの上げてくれた情報、すごく勉強になったよ!」「明日、ここの相談に乗ってもらっていいかな?」といつも以上に、コミュニケーションをとることが大事です。

 「1日、1褒め」を心掛けて、オフィスにいる時以上に相手を認め、思いやる姿勢を持ちましょう。自宅で自律的な仕事を促すためには「信頼関係を構築して、やる気スイッチを押す」ことこそ重要なポイントです。

※印刷用ページ表示機能はメンバーのみが利用可能です(登録無料)。

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この記事の著者

小澤 美佳(コザワ ミカ)

2008年に株式会社リクルートへ入社。10年間、HR一筋。中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2018年 中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/3610 2021/10/22 08:00

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