施策をつなげて成長領域への人材シフトを図る
ここまで、DX人材戦略の推進ポイントして、「スキルの可視化」「実践学習」「キャリア自律」の3点について語られたが、それでも「どこから手を付ければよいのだろう」と迷う人もいるだろう。成瀬氏は、「最初の20%のデジタル変革人材をどう育てるかがカギ」と語る。
もちろん、たやすくはない。DX推進部門だけではなくて人事部や各事業部門、経営までも一体となって連携し取り組むテーマであり、最終的には“風土”まで変革する必要がある。そこで、ワークショップで人材を発掘し、発掘した人材のコミュニティ化や成長支援のプロジェクト化を行いつつ、これらの取り組みをコンテンツ化して社内に周知する。そうしてデジタル変革人材を育て、学習者の輪を広げていくのだ。
成瀬氏は「この変革と学び・キャリアをいかに“線”にするかが肝心であり、いきなりステップ2の『デジタル教育・学習の促進』から入るのではなく、まずステップ1の『現場での変革促進』として何を変えていくのかを設定する。それからステップ2を行う。そして、ステップ3として、育った人たちがちゃんとチャレンジができる制度や仕掛けを作る。これがDX人材戦略を実行に移すための足がかりとなる」とした上で、「そうして成長領域に人材をシフトしていく考えだ。人を育て活かす企業こそ人に選ばれる。企業も個人も変わっていかなければならない。パーソルも共に試行錯誤しながら取り組んでいく」と語り、セッションを終えた。