ラキールは、人的資本経営を行う際の今後の課題を明らかにするため、「情報の透明性」「人事KPIの設定と浸透」「人事情報の公開」について調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
第1章:情報の透明性
- 調査対象:HRプロ会員190名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2022年6月
第2章:人事KPIの設定と浸透・第3章:人事情報の公開
- 調査対象:日本の人事部主催「HRカンファレンス」同社セミナー参加者45名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2022年5月
自社の人材・組織データを社内外に情報発信できていない企業は6割以上。従業員規模が大きくなると、情報発信にも積極的な傾向にある。
「経営層から若手・新入社員層」まで、全ての社員が自社の情報の透明性に満足している企業は、わずか1割となった。「自社の従業員エンゲージメントは他社に比べて低い」と回答した企業は、自社の情報の透明性に満足しているのは「経営者のみ」であると約8割の企業が回答。情報の透明性と従業員のエンゲージメントには相関があると同社は述べている。
人事KPIの設定ができている企業は約6割と、取り組んでいる企業が多い。しかし、人事のKPIや戦略が従業員に浸透していない企業は6割以上であり、人事部門の発信力に課題があるという。
報酬の情報や、従業員の志向の情報を開示している企業はごくわずか。今後は「育児・子育て支援に関する情報」「人事部門の目標指標」を開示したい企業が多い。
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