産経新聞社とワークス・ジャパンは、就職希望先調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査対象:2024年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生
- 調査期間:2022年5月6日~2023年7月31日
- 調査方法:就職対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催の各種イベントでアンケート告知を行い、WEB上のアンケートフォームで回収
- 有効回答数:7675票
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
文系では損保・銀行、商社(社会貢献活動にも注目集まる)
文系総合では、3位の「東京海上日動火災保険」を筆頭に、「三菱UFJ銀行」「損害保険ジャパン」「みずほフィナンシャルグループ」「三井住友銀行」など、「損保・銀行」が人気を集めた。
就活の早期化が進む中、就活のスタートとして定着した夏のインターンシップ。ワークス・ジャパンが7月に行った採用動向調査(学生・企業)では、3年次に夏のインターンシップに参加した学生は5割近くに上り、なるべく早いうちに参加して、まずは業界・企業研究を行いたいと考える学生が多いことが分かる。
東京海上日動火災保険が行うプレミアム・インターンシップは、業務分野や職種に対応したプログラムが設定されており、コアビジネス編、SPEC編 資産運用コース、SPEC編 IT戦略コースなど、自身の専門分野や興味に合わせて参加できる。
同じく、法人営業からシステム・デジタル、サイバーセキュリティなど、幅広いプログラムを用意する三菱UFJ銀行は、対面、オンラインといった開催形式に加え、日数も複数から選択可能だ。
コロナ禍以降、即座にオンラインインターンシップを導入した損害保険ジャパンは、質の高いプログラムをオンライン完結で開催しており、他企業と同様にプログラムも複数用意。プログラムの充実と、参加のしやすさが支持を集める要因となっている。
また、1位に「伊藤忠商事」、2位に「三菱商事」、4位に「住友商事」と、「総合商社」の人気も高い。その人気の理由は、地球規模の課題解決に向けて、商社ならではのスケール感を感じるアプローチをしていること。伊藤忠商事が企画する、ビジネスにおけるSDGsの展開を学ぶ連続イベント「ミライテラス」や、三菱商事のオウンドメディア「MC×me」でのCO2循環利用についての発信、MCアカデミアSummer Workshopなどはその一つである。
インターンシップを選考の入り口として捉えるだけでなく、「総合商社の果たすべき役割や使命を理解してもらいながら、自分自身のキャリア形成も考えるきっかけにしてもらいたい」という姿勢が貫かれている。地球規模の課題に向き合っている企業という企業選びの視点は、今後増えてくることが予想される。
理系はビジネスイノベーション推進企業に支持
理系総合では、1位に「NTTデータ」、2位に「ソニーグループ」がランクインした。NTTデータは、新規システムに関するグループワークを行うワークショップ型と、事業を体験するプロジェクト型の2種類のインターンシッププログラムで約700名の参加者を募集。24卒学生向けには、SIer業界研究や内定者コメントの動画をYouTubeに掲載するなど、規模、内容ともに、学生に満足感を与える情報発信が魅力である。
また、コロナ禍以降、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めていることで注目を集める富士通や、総合電機メーカーからITを基軸とした社会インフラ企業に変貌を遂げつつある日立製作所などへの関心も高い。環境やエネルギー問題を見据え、今すべき改革に向き合う姿が、学生の期待感につながっていると考えられる。
その他、「野村総合研究所(NRI)」や「アクセンチュア」に代表されるコンサルティング系も理系学生から人気が高い。複数のインターンシップを開催したアクセンチュアのプログラムには、基軸となる戦略コンサルタントの仕事理解にとどまらず、デジタル・テクノロジー、アプリ開発といった言葉が並び、「最先端のビジネスを学びたい」と考える学生たちのニーズに応えている。
理系総合でも、文系総合同様複数のプログラムを開催し、日数にもバリエーションのある企業が、ランクインするという結果になった。
なお、同調査の全結果データは、キャンパスキャリアのWebサイトで確認できる。
【関連記事】
・24卒の9割が「選考につながるインターンシップに参加したい」と回答―学情調べ
・2024卒学生の46%がすでに就活を開始していると判明―ウォンテッドリー調査
・2022年満足度ランキング、就活サイトはマイナビ、就活エージェントはリクナビ就職エージェントが1位に―oricon ME調べ