リ・カレントは「会社の中での学び・組織風土に関する調査」と題し、企業の中でどのような学びが設計・実施され、それが受講者にどのように受容されているのか、学習と実践の実態調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査対象:東京都在住の20~60代1000名
- 調査期間:2022年12月
- 調査方法:選択回答および自由回答式インターネット調査
研修内容の職場実践、人事の6割が「働きかけている」が、受講者「支援されることはほぼなかった」が6割
研修・教育施策で学んだ内容を職場・現場で実践するよう受講者に働きかけているか、人事・教育施策設計者に聞いたところ(受講者上司への質問)、「研修によっては働きかけている」(38.4%)、「毎回働きかけている」(25.6%)と、何らかの働きかけを行っている回答者は全体の6割となった。
一方、研修受講者本人に対し、同様に、学んだ内容の実践を促す支援があったかを聞いたところ、「支援をされることはほぼなかった」(62.1%)が最も多かった。
上司から「毎回支援のあった」受講者は、学習内容を「実践した」比率が高い
研修受講者本人に対し、研修で学んだ内容の実践度合いについて聞いたところ、「ある程度実践した」(50.5%)が最も多く、次いで「あまり実践していない」(31.5%)となった。明確に「実践した」とする回答は13.5%にとどまった。
一方、研修受講後に上司からの実践支援を受けたかを聞いた設問を集計軸にとり、改めて実践の度合いを調べたところ、「(上司から)毎回何らかの支援があった」と答えた回答者は、学習内容についても「実践した」とする比率が高い。
「研修のねらい」「トップからのメッセージ」など研修事前施策と現場実践に相関あり、事前施策「特になし」では「実践なし」比率が高い
研修受講者に対し、研修参加にあたって参加意欲が高まった「事前施策」を聞いた設問を集計軸にとり、現場実践の度合いを調べた。
組織のトップ・意思決定層からのメッセージ送付で意欲を高めた受講者は、「実践した」とする回答比率が高い。また、「研修のねらい」で意欲を高めた受講者については、「あまり実践していない」とする回答が低い。逆に、事前施策について「特にない・覚えていない」とした受講者は、「実践した」が低く、「あまり実践していない」とする回答比率が高くなった。
なお、同調査の全結果データは、同社のWebサイトで確認できる。
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